それからしばらく、お互いに忙しくて気付いたら9月になってました。 「ああ、武井さん 今度の土曜日にお食事なんかどうですか?」
「そうだなあ、、、。 夕方までは掃除やらガイドやらで忙しいんですけど、、、。」
「夜でも構いませんよ。」 「夜? ならなんとかしましょう。」
竜岡さんが真剣な顔で誘ってきたのよ。 なんか緊張するなあ。
家に帰ってもどっか浮足立ってる気がする。 醤油だと思って油を取ってみたりして、、、。
「お母さん どうしたの?」 「いやいや、ちょっとね。」
「分かった。 こないだのあの人に告られたんでしょう?」 「そんなんじゃないわよ。」
「なんかさあ、目がニヤニヤしてるけど、、、。」 (ギク、、、。)
「ワー、ほんとなんだ。 告られたのね?」 「まだまだそんなんじゃないってば。」
「結婚するんでしょう?」 「いやいや、、、。」
「え? 誰が結婚するって?」 そこに信二が入ってきた。
「こないだのあの人よ。」 「ふーん、そうか。 まあいいんじゃないの?」
「お兄ちゃん お母さんがこれから幸せになるんだから応援してやろうよ。」 「まあ、そのうちにね。 じゃあ行ってくるわ。」
気の無い返事をして信二は家を出ていきました。 「お兄ちゃんはああだけど私は応援してるからね。」
「あ、あ、あ、あ、あ、ありがとう。」 私はそれだけ言うのが精一杯。
何とか夕食を作って百合子と二人で食べてます。 「受験はどうするの?」
「私ねえ、大学には行かないよ。」 「へ?」
「お店で働きたいの。 んで将来は自分でお店を持ちたいの。」 「店か、、、。」
「何がいいかなあ?」 「それは自分で決めなさいよ。 お母さんに聞かれたって分からないわよ。」
「そうねえ。 お母さん ホームヘルパーなんだもんね。」 「この仕事も悪くはないわよ。」
「ふーん、そうなんだ。」 食事を済ませた私はお風呂に飛び込みました。
ゆったりしたいなあ。 ねえ、竜岡さん。
翌日も朝から走り回っております。 公子さんがやってた人たちも貰ってるからねえ。
あちらこちらで掃除をし、食事を作り、話をする。 みんなどっか寂しそう。
あたしらが子供の頃は誰彼構わずにドアが開いていたら飛び込んで井戸端会議をしてたわよね。 今はどう?
ドアを閉めておかないと誰が侵入するか分からない。 何をされるか分からない。
落とし物を拾ってもらってお礼を督促される変な時代なのよ。 お礼目当てに拾ってるとしか思えないわね。
そんなのに絡まれたら俺俺詐欺より気分悪いわ。 どうなってんのよ?
セルフレジはセルフレジで問題ばかり起こしてるし、、、。 じゃあ何で導入したのよ?
導入するメリットは無いじゃない。 ただただ無駄なだけね。
スキャンだけさせておいてやり逃げする卑怯者も居るそうだからさあ。 注意して見ておかないと要らない物まで払わされるわよ。
人手不足とか言うけど、それだったら規模を小さくすればいいでしょうよ。
大きいままで問題ばかり起こされても困るのよ。 どうしようもないなあ。
そうまでして目立ちたいの? 50年経ったら今のお店はほとんど無くなってるわよ。
イオンでさえ無くなるんじゃないかなあ? 生協だって危なそうよね。
安く仕入れて高く売りつけるって評判だから。 ねえ。
今日も又文句ばかり言っております。 そんでもって高山さんの家にやってきました。
「こんにちはーーーー。」 「元気ええなあ。」
「高山さんには負けますけど、、、。」 「あんたのほうが強烈やで。」
「そうですか?」 「今日もまたスッ転んだりするやろうから。」
「しませんわよ。 オホホ。」 ところが、、、。
「キャーーー!」 「ほらほら、転んだやんか。」
「すいません。 いててて、、、。」 「大丈夫かいな おばさん?」
「何ですって? おばさん?」 「そうちゃうんかい?」
「おじさんに言われたくないわよ。」 「こないだもそうやって転んだよなあ?」
「ワワワ、言わないでくださいよ それは。」 「やろう?」
ニヤニヤしている高山さんにはこれ以上口答えできません。 諦めて掃除を始めますと、、、。
高山さんの電話が鳴ったようです。 「ああ、もそもそ? なんや美和子かい。」
「え?」 私はドキッとして思わず聞いてしまいましたわ。
「あんたちゃう。 ドライバーの美和子や。」 「何だ、そうか。」
「あんたやったら美和子なんて呼ばんやろう。」 「それもそうですね。 あはは。」
笑った拍子にテーブルの門で脛を打ってしまった。 「いたーーーーーい。」
「何してんの? あんたは壊れてもいいけど家具は壊さんでなあ。」 「ひどいなあ、高山さん。」
「後で可愛がってやるから、、、。」 「う、うん。」
そう言われたら黙るしか無いんですわ。 はーあ、どうしましょうねえ?
食事も作ります。 普段は自分でやるらしいから唐揚げとか魚の煮物とか、、、。
それが終わるとテーブルに着いて、、、。 と思ったら高山さんが肩を揉んできました。
「よう凝ってるなあ。」 「そうですか? 忙しいから。」
「悩んでるんやろう?」 (ドキ、、、。)
「何か有ったんか?」 「いえ、何も。」
何とかごまかしてはみたものの、気付いたら高山さんに押し倒されてましたわ。 やっちゃったあ。
家に帰ってくると信二がまたまたラジコンを飛ばしております。 「今日はねえ、f16だ。」
右に左に旋回させながら私の目の前を通過します。 「危ないでしょう?」
「大丈夫だよ。 ぶつからないから。」 「そうじゃなくてだなあ、、、。」
ブツブツ言いながら玄関を入ると後ろからラジコンが突っ込んできた。 「痛いわねえ。 何よ?」
「あらら、ぶつかっちゃった。」 「ぶつかっちゃったじゃないわよ。 他人だったらどうするの?」
「いいじゃん。 お母さんなんだから。」 「そうじゃなくて、、、。」
「おっ帰りーーーーー!」 そこへ百合子まで飛び込んできた。
あんまりの勢いに私は廊下に押し倒されてしまったのでありまーす。 その後はどうなったか知らないわ。
大帝さんはやっと辞める気になったみたいね? 遅過ぎたわよ。
さて次は誰になるのかなあ? 誰だってそうも変わらないような、、、。
私は私。 あなたはあなたですからねえ。
さてさてどうなりますやら? 間違ってもチャイニーズ瑞穂なんかは選ばないでね。
あんなのが選ばれる時代になったら日本が本気で終わるからさあ。 ねえ、安倍さん。
夕食を食べながら思うのは竜岡さんのことばかり。 食事に誘われて以来、どっか気になるのよ。
派手でもないし地味でもない。 暗くもないし賑やかでもない。
夏にみんなで飲み会をやった時もあの人はお世話係みたいだった。 公子さんたちに気を使いながらチョコッと飲んでは歩き回ってたっけ。
何かいいよなあ。 ポーっとしていると信二が頬っぺたに箸を刺してきた。
「いてえ!」 「何考えてたの?」
「ななななな、何でもない。」 「うっそ。 何か考えてたでしょう?」
「何でもないってば。」 「あのおじさんのことだろう?」
(ドキ、、、。) 「やっぱりか。 言っとくけどねえ。 親父みたいな人だったら俺出ていくからね。」
「う、うん。」 「お母さん 大丈夫?」
「何が?」 「疲れてるみたいだけど、、、。」
「寝れば治るわよ。 あはは。」 笑ってみたけどどっか寂しそう。
(それだけ竜岡さんのことを考えてるのよね 私。 アタックしようかな。) 「それはまだしないほうが、、、。」
「え? 何のこと?」 「あのおじさんにアタックしようとしてるでしょう?」
(ドキ、、、。) 「やっぱりか。 お母さん 焦らないの。 百合子が居るんだから。」
「そうね。」 ひとまずこの夜の話はここまで。
ところがどっこい、思い始めたら最後だったのよ。 次の日も仕事をしている竜岡さんを見たらキュンとしちゃって、、、。
ああどうしましょう? 私の人生をこのおじさんに捧げてもいいのかしら?
「そうだなあ、、、。 夕方までは掃除やらガイドやらで忙しいんですけど、、、。」
「夜でも構いませんよ。」 「夜? ならなんとかしましょう。」
竜岡さんが真剣な顔で誘ってきたのよ。 なんか緊張するなあ。
家に帰ってもどっか浮足立ってる気がする。 醤油だと思って油を取ってみたりして、、、。
「お母さん どうしたの?」 「いやいや、ちょっとね。」
「分かった。 こないだのあの人に告られたんでしょう?」 「そんなんじゃないわよ。」
「なんかさあ、目がニヤニヤしてるけど、、、。」 (ギク、、、。)
「ワー、ほんとなんだ。 告られたのね?」 「まだまだそんなんじゃないってば。」
「結婚するんでしょう?」 「いやいや、、、。」
「え? 誰が結婚するって?」 そこに信二が入ってきた。
「こないだのあの人よ。」 「ふーん、そうか。 まあいいんじゃないの?」
「お兄ちゃん お母さんがこれから幸せになるんだから応援してやろうよ。」 「まあ、そのうちにね。 じゃあ行ってくるわ。」
気の無い返事をして信二は家を出ていきました。 「お兄ちゃんはああだけど私は応援してるからね。」
「あ、あ、あ、あ、あ、ありがとう。」 私はそれだけ言うのが精一杯。
何とか夕食を作って百合子と二人で食べてます。 「受験はどうするの?」
「私ねえ、大学には行かないよ。」 「へ?」
「お店で働きたいの。 んで将来は自分でお店を持ちたいの。」 「店か、、、。」
「何がいいかなあ?」 「それは自分で決めなさいよ。 お母さんに聞かれたって分からないわよ。」
「そうねえ。 お母さん ホームヘルパーなんだもんね。」 「この仕事も悪くはないわよ。」
「ふーん、そうなんだ。」 食事を済ませた私はお風呂に飛び込みました。
ゆったりしたいなあ。 ねえ、竜岡さん。
翌日も朝から走り回っております。 公子さんがやってた人たちも貰ってるからねえ。
あちらこちらで掃除をし、食事を作り、話をする。 みんなどっか寂しそう。
あたしらが子供の頃は誰彼構わずにドアが開いていたら飛び込んで井戸端会議をしてたわよね。 今はどう?
ドアを閉めておかないと誰が侵入するか分からない。 何をされるか分からない。
落とし物を拾ってもらってお礼を督促される変な時代なのよ。 お礼目当てに拾ってるとしか思えないわね。
そんなのに絡まれたら俺俺詐欺より気分悪いわ。 どうなってんのよ?
セルフレジはセルフレジで問題ばかり起こしてるし、、、。 じゃあ何で導入したのよ?
導入するメリットは無いじゃない。 ただただ無駄なだけね。
スキャンだけさせておいてやり逃げする卑怯者も居るそうだからさあ。 注意して見ておかないと要らない物まで払わされるわよ。
人手不足とか言うけど、それだったら規模を小さくすればいいでしょうよ。
大きいままで問題ばかり起こされても困るのよ。 どうしようもないなあ。
そうまでして目立ちたいの? 50年経ったら今のお店はほとんど無くなってるわよ。
イオンでさえ無くなるんじゃないかなあ? 生協だって危なそうよね。
安く仕入れて高く売りつけるって評判だから。 ねえ。
今日も又文句ばかり言っております。 そんでもって高山さんの家にやってきました。
「こんにちはーーーー。」 「元気ええなあ。」
「高山さんには負けますけど、、、。」 「あんたのほうが強烈やで。」
「そうですか?」 「今日もまたスッ転んだりするやろうから。」
「しませんわよ。 オホホ。」 ところが、、、。
「キャーーー!」 「ほらほら、転んだやんか。」
「すいません。 いててて、、、。」 「大丈夫かいな おばさん?」
「何ですって? おばさん?」 「そうちゃうんかい?」
「おじさんに言われたくないわよ。」 「こないだもそうやって転んだよなあ?」
「ワワワ、言わないでくださいよ それは。」 「やろう?」
ニヤニヤしている高山さんにはこれ以上口答えできません。 諦めて掃除を始めますと、、、。
高山さんの電話が鳴ったようです。 「ああ、もそもそ? なんや美和子かい。」
「え?」 私はドキッとして思わず聞いてしまいましたわ。
「あんたちゃう。 ドライバーの美和子や。」 「何だ、そうか。」
「あんたやったら美和子なんて呼ばんやろう。」 「それもそうですね。 あはは。」
笑った拍子にテーブルの門で脛を打ってしまった。 「いたーーーーーい。」
「何してんの? あんたは壊れてもいいけど家具は壊さんでなあ。」 「ひどいなあ、高山さん。」
「後で可愛がってやるから、、、。」 「う、うん。」
そう言われたら黙るしか無いんですわ。 はーあ、どうしましょうねえ?
食事も作ります。 普段は自分でやるらしいから唐揚げとか魚の煮物とか、、、。
それが終わるとテーブルに着いて、、、。 と思ったら高山さんが肩を揉んできました。
「よう凝ってるなあ。」 「そうですか? 忙しいから。」
「悩んでるんやろう?」 (ドキ、、、。)
「何か有ったんか?」 「いえ、何も。」
何とかごまかしてはみたものの、気付いたら高山さんに押し倒されてましたわ。 やっちゃったあ。
家に帰ってくると信二がまたまたラジコンを飛ばしております。 「今日はねえ、f16だ。」
右に左に旋回させながら私の目の前を通過します。 「危ないでしょう?」
「大丈夫だよ。 ぶつからないから。」 「そうじゃなくてだなあ、、、。」
ブツブツ言いながら玄関を入ると後ろからラジコンが突っ込んできた。 「痛いわねえ。 何よ?」
「あらら、ぶつかっちゃった。」 「ぶつかっちゃったじゃないわよ。 他人だったらどうするの?」
「いいじゃん。 お母さんなんだから。」 「そうじゃなくて、、、。」
「おっ帰りーーーーー!」 そこへ百合子まで飛び込んできた。
あんまりの勢いに私は廊下に押し倒されてしまったのでありまーす。 その後はどうなったか知らないわ。
大帝さんはやっと辞める気になったみたいね? 遅過ぎたわよ。
さて次は誰になるのかなあ? 誰だってそうも変わらないような、、、。
私は私。 あなたはあなたですからねえ。
さてさてどうなりますやら? 間違ってもチャイニーズ瑞穂なんかは選ばないでね。
あんなのが選ばれる時代になったら日本が本気で終わるからさあ。 ねえ、安倍さん。
夕食を食べながら思うのは竜岡さんのことばかり。 食事に誘われて以来、どっか気になるのよ。
派手でもないし地味でもない。 暗くもないし賑やかでもない。
夏にみんなで飲み会をやった時もあの人はお世話係みたいだった。 公子さんたちに気を使いながらチョコッと飲んでは歩き回ってたっけ。
何かいいよなあ。 ポーっとしていると信二が頬っぺたに箸を刺してきた。
「いてえ!」 「何考えてたの?」
「ななななな、何でもない。」 「うっそ。 何か考えてたでしょう?」
「何でもないってば。」 「あのおじさんのことだろう?」
(ドキ、、、。) 「やっぱりか。 言っとくけどねえ。 親父みたいな人だったら俺出ていくからね。」
「う、うん。」 「お母さん 大丈夫?」
「何が?」 「疲れてるみたいだけど、、、。」
「寝れば治るわよ。 あはは。」 笑ってみたけどどっか寂しそう。
(それだけ竜岡さんのことを考えてるのよね 私。 アタックしようかな。) 「それはまだしないほうが、、、。」
「え? 何のこと?」 「あのおじさんにアタックしようとしてるでしょう?」
(ドキ、、、。) 「やっぱりか。 お母さん 焦らないの。 百合子が居るんだから。」
「そうね。」 ひとまずこの夜の話はここまで。
ところがどっこい、思い始めたら最後だったのよ。 次の日も仕事をしている竜岡さんを見たらキュンとしちゃって、、、。
ああどうしましょう? 私の人生をこのおじさんに捧げてもいいのかしら?


