次のお宅は吉原健吾さん。 元気なおじいちゃん。
ただね、目が見えないのよ。 高山さんと同じね。
違うのは兵隊さんだったってことだけ。 アンポんだか何処だかに送り込まれてたんだって。
真珠湾攻撃が全てを変えたって言ってたなあ。 アメリカは戦力の中心が爆撃機だった。
日本だってゼロ戦を作ったまではいいけど重量を減らすために重装備を省いたことを見抜かれて全部撃ち落されたのよね。
そして大和が沈むまで戦艦に注力していた。 そこにも敗因が有ったのよね。
さすがの大和でも大量の奇襲攻撃には勝てなかったのよ。 そして全てが闇に沈んでいった。
秘密裏に潜水空母だって作ろうとしていたのに、、、。 そして日本も核実験に成功していた。
あまりの悲惨さに実戦投入はされなかった。 いいのか悪いのか、、、。
アメリカの実験レポートを見たことが有るけど豚だって一瞬に消えるんだもん。 あんなのを実戦で使いたくはないわよ。
ねえ、プーチンさん。
さてと、そろそろお昼だなあ。 そう思って食堂に入ったら、、、。
「あら? 武井さん こんにちは。」 あらあら凛子さんじゃない。
こんな所で会うなんて、、、。 「あらあらどうしたの?」
「友達に誘われて映画を見てきたんです。」 「映画?」
「なんでも古い映画を上映してくれる映画館らしくて、、、。」 「古い映画ねえ。」
「今日は『アポロ13』をやってました。」 「あの宇宙で爆発したロケットのやつ?」
「は? 爆発したロケット?」 私の話に食堂の親父さんが反応した。
「おいおい、あれはロケットじゃなくて積んでいた酸素タンクが破裂したって事故だよ。」 「そうなんですか?」
「ロケットが爆発したらみんな死んでまうわ。」 「それもそうですね。」
「でね、ロビーには13号のレプリカが飾ってあったんですよ。」 「へえ、マニアックねえ。」
「今度暇だったら一緒に行きませんか?」 「そうだなあ。 『マウスハント』とか『タイタニック』とか見たいのは有るし、、、。」
「『マウスハント』?」 「これねえ、映画館で見たんだけど死ぬほど笑えるのよ。」
「そうなんですか?」 「ネズミとどんくさい兄弟がバトルするやつだろう?」
「そうそう。 トムとジェリーの実写版みたいな、、、。」 「面白そう。 日程を調べておきますね。」
なぜか映画の話で盛り上がってしまってもう1時。 「じゃあ行きますね。」
食堂を出た私はのんびりと歩きながら街の風景を楽しんでおります。 ってか、毎日見てるやないかーい。
「次は高山さんね。」 この仕事が終われば今日はおしまい。
たまには早く帰ってのんびりしましょうか。 その前に自販機でコーヒーを。
飲みながら歩いていたら狸が歩いてきた。 「どうしたの?」
「ハローワークに行ってきた。」 「そう。 仕事は有ったの?」
「無いんだよ。」 「そうよねえ。 50過ぎたら厳しいもんねえ。 技術職なら少しは考慮してくれるけど、、、。」
「そうだ。 だから生活保護も考えてる。」 「待ってよ。 私が働けなくなるじゃない。」
「そうか。」 そう言って狸は通り過ぎていきました。
やっぱり離婚するしかないかな。 あれじゃあ先が思いやられるわ。
何となくブルーな気分になって高山さんちの近くにまで来ました。 なんかcdの音が聞こえる。
まだまだ早いし一回りしようかな。 「あらあら武井さん 午後の仕事ね?」
「そうです。」 「元気無さそうねえ。 どうしたの?」
「主人がちょっと、、、。」 「そっか。 明日は同じ所を回るからお昼にでも聞かせてね。」
「はい。」 いやいや澄江さんに会った。 びっくりした。
でもまあ明日はゆっくり話せそうだから一安心かな? さあさ、突撃ーーーー!
「こんにちはーーーーーーー。」 「元気良過ぎやろう。」
「これくらい元気じゃないとやってられませーーーん。」 「あんたのことをカラ元気って言うんやで。」
「空なのは頭だけです。」 「全部空やないかい。」
「ひどいなあ。 あれだけ私を萌えさせといて。」 「勝手にあんたが萌えたんや。」
「ひどーーーいひどーーーーい。」 「あんたのほうがよっぽどにひどいわな。」
こうして今日もミニバトル?を繰り広げながら掃除と調理をするわけですよ。 助けてくれ。
「今日は何か有ったんやろう?」 「なーーーんにも有りませんけど。」
「嘘吐け。 何も無かったらそんなハイテンションじゃおらへんで。」 「ギク、。」
「ほらほら図星やんか。 なあ、武井さん。」 (逃げられないわ。)
そんなわけで狸と話したことをすっかり高山さんに話しちゃいました。 「そんなんほっといたらええわ。」
「でも、、、。」 「やる気が在ったら死んでも資格くらい取りに行くやろう。 パワーショベルでも何でも取ろうと思えば取れるんやから。」
「ああ、あの人はそこまで器用じゃないから。」 「器用じゃなくても奥さんのことを考えたら無理でも取りに行くでな。」
「それはそうかも、、、。」 「そやから俺は先に資格を取ったんや。 死ぬまでこの資格は有効なんやで。」
「高山さんは高山さんだから、、、。」 「あんなあ、奥さんに金の心配までさせるようになったら男はおしまいや。 別れたほうがええんとちゃうの?」
「そう思います?」 「仕事が無いから言うて生活保護に負んぶされるようになったら人生終わりやで。」
「その生活保護を、、、。」 「何や だらしない男やなあ。 捨ててまえ。」
「うーーーーん、、、。」 私は結論を出せなくて困っております。
「子供が小さいんならな考えんことも無いけど大きいんやろう? スッキリしてやったほうがいいんとちゃうの?」
今日の高山さんはどっか説得力が有りますねえ。 飲み込まれそうだわ。
仕事が終わって紅茶を飲んでいると高山さんがくっ付いてきた。 そして、、、。
知らない間に萌えちゃったのでーす。 疲れたわ。
シャワーを浴びて家に帰ってくると百合子がテレビを見ながらポッキーを食べてました。 平和だなあ。
ネットじゃあまたまた誰かの水着ショットがいいの悪いのと言われ放題に言われてますが、、、。 ここまで来ると何も言いたくなくなるわ。
「私はきれいなの。 見てね!」っていう承認欲求丸出しの女たちがやってることだから何にも言わないわ。 勝手にしろや。
まあ数年後が楽しみねえ。 「あの頃はあんなにきれいだったのに今は、、、?」って言ってもらえるんでしょうから。
まあ性的加工もガンガンやってもらいなさい。 それを売られて騒ぐだけ騒いで自滅しても私は知らないわ。
たまには昼寝を、、、。 そんな時間じゃないんだけどなあ。
だってもう5時半だもん。 夕食作らなきゃねえ。
何を作ろうかなあ? 「ねえねえ、お母さん 何処に言ってるのよ?」
「え?」 「そこさあ、物置なんだけど。」
「やっちゃった。」 「今日のお母さんはおかしいわ。」
「おかしいのはいつものことだけどなあ。」 「いつも以上におかしいわ。」
「なぬ?」 固まっていると百合子が目の前に飛んできました。
「お父さんさあ本気で生活保護受ける気だよ。」 「何だって?」
「役所に持って行く書類を集めてた。」 「あんにゃろう、、、。」
「生活保護受けたらどうなるの?」 「ママも働けなくなるのよ。」
「えーーー? こんなに頑張ってるのに?」 「そうねえ。 もっと働きたいわ。」
「だったらさあ、親父と別れちまいなよ。」 そこへ信二が入ってきました。
「あんたたちはいいの?」 「ちょっと喧嘩して辞めさせられたくらいで生保を受けるんじゃあ俺たちだって付き合ってられないよ。 あんなのほっといて別れちまいなよ。」
「おいおい、そんなでっかい声で言ったら聞こえるだろうがよ。」 「いいよ。 聞こえたから。 勝手にしろ!」
私たちの話を聞いていたのか狸は怒って家を出ていきました。 百合子も信二もシラーッとした顔で見送ってますが、、、。
「行く当てなんて有ったのかなあ?」 「まだまだおばあちゃんが健在だからね。」
「そっか。 またおばあちゃんにしこたま怒られてしょんぼりして帰ってくるのかなあ?」 「来ないと思うよ。」
「何で?」 「だってお兄ちゃんが「別れちまえ。」なんて言ったから。」
「そうだなあ。 別れろって言われてるのに帰っちゃ来れないわね。」 と、そこへ電話が、、、。
出てみると狸のお母さんです。 「ああ、美和子さんかい?」
「そうですけど、、、。」 「もうねえ、あの子はお宅には帰さないから。」
「そうですか。」 「まあせいぜい頑張りなさいよね。」
そう言って一方的に電話が切れました。 親子揃って、、、。
親も親なら子も子よねえ。 ねえ、高山さん。
ただね、目が見えないのよ。 高山さんと同じね。
違うのは兵隊さんだったってことだけ。 アンポんだか何処だかに送り込まれてたんだって。
真珠湾攻撃が全てを変えたって言ってたなあ。 アメリカは戦力の中心が爆撃機だった。
日本だってゼロ戦を作ったまではいいけど重量を減らすために重装備を省いたことを見抜かれて全部撃ち落されたのよね。
そして大和が沈むまで戦艦に注力していた。 そこにも敗因が有ったのよね。
さすがの大和でも大量の奇襲攻撃には勝てなかったのよ。 そして全てが闇に沈んでいった。
秘密裏に潜水空母だって作ろうとしていたのに、、、。 そして日本も核実験に成功していた。
あまりの悲惨さに実戦投入はされなかった。 いいのか悪いのか、、、。
アメリカの実験レポートを見たことが有るけど豚だって一瞬に消えるんだもん。 あんなのを実戦で使いたくはないわよ。
ねえ、プーチンさん。
さてと、そろそろお昼だなあ。 そう思って食堂に入ったら、、、。
「あら? 武井さん こんにちは。」 あらあら凛子さんじゃない。
こんな所で会うなんて、、、。 「あらあらどうしたの?」
「友達に誘われて映画を見てきたんです。」 「映画?」
「なんでも古い映画を上映してくれる映画館らしくて、、、。」 「古い映画ねえ。」
「今日は『アポロ13』をやってました。」 「あの宇宙で爆発したロケットのやつ?」
「は? 爆発したロケット?」 私の話に食堂の親父さんが反応した。
「おいおい、あれはロケットじゃなくて積んでいた酸素タンクが破裂したって事故だよ。」 「そうなんですか?」
「ロケットが爆発したらみんな死んでまうわ。」 「それもそうですね。」
「でね、ロビーには13号のレプリカが飾ってあったんですよ。」 「へえ、マニアックねえ。」
「今度暇だったら一緒に行きませんか?」 「そうだなあ。 『マウスハント』とか『タイタニック』とか見たいのは有るし、、、。」
「『マウスハント』?」 「これねえ、映画館で見たんだけど死ぬほど笑えるのよ。」
「そうなんですか?」 「ネズミとどんくさい兄弟がバトルするやつだろう?」
「そうそう。 トムとジェリーの実写版みたいな、、、。」 「面白そう。 日程を調べておきますね。」
なぜか映画の話で盛り上がってしまってもう1時。 「じゃあ行きますね。」
食堂を出た私はのんびりと歩きながら街の風景を楽しんでおります。 ってか、毎日見てるやないかーい。
「次は高山さんね。」 この仕事が終われば今日はおしまい。
たまには早く帰ってのんびりしましょうか。 その前に自販機でコーヒーを。
飲みながら歩いていたら狸が歩いてきた。 「どうしたの?」
「ハローワークに行ってきた。」 「そう。 仕事は有ったの?」
「無いんだよ。」 「そうよねえ。 50過ぎたら厳しいもんねえ。 技術職なら少しは考慮してくれるけど、、、。」
「そうだ。 だから生活保護も考えてる。」 「待ってよ。 私が働けなくなるじゃない。」
「そうか。」 そう言って狸は通り過ぎていきました。
やっぱり離婚するしかないかな。 あれじゃあ先が思いやられるわ。
何となくブルーな気分になって高山さんちの近くにまで来ました。 なんかcdの音が聞こえる。
まだまだ早いし一回りしようかな。 「あらあら武井さん 午後の仕事ね?」
「そうです。」 「元気無さそうねえ。 どうしたの?」
「主人がちょっと、、、。」 「そっか。 明日は同じ所を回るからお昼にでも聞かせてね。」
「はい。」 いやいや澄江さんに会った。 びっくりした。
でもまあ明日はゆっくり話せそうだから一安心かな? さあさ、突撃ーーーー!
「こんにちはーーーーーーー。」 「元気良過ぎやろう。」
「これくらい元気じゃないとやってられませーーーん。」 「あんたのことをカラ元気って言うんやで。」
「空なのは頭だけです。」 「全部空やないかい。」
「ひどいなあ。 あれだけ私を萌えさせといて。」 「勝手にあんたが萌えたんや。」
「ひどーーーいひどーーーーい。」 「あんたのほうがよっぽどにひどいわな。」
こうして今日もミニバトル?を繰り広げながら掃除と調理をするわけですよ。 助けてくれ。
「今日は何か有ったんやろう?」 「なーーーんにも有りませんけど。」
「嘘吐け。 何も無かったらそんなハイテンションじゃおらへんで。」 「ギク、。」
「ほらほら図星やんか。 なあ、武井さん。」 (逃げられないわ。)
そんなわけで狸と話したことをすっかり高山さんに話しちゃいました。 「そんなんほっといたらええわ。」
「でも、、、。」 「やる気が在ったら死んでも資格くらい取りに行くやろう。 パワーショベルでも何でも取ろうと思えば取れるんやから。」
「ああ、あの人はそこまで器用じゃないから。」 「器用じゃなくても奥さんのことを考えたら無理でも取りに行くでな。」
「それはそうかも、、、。」 「そやから俺は先に資格を取ったんや。 死ぬまでこの資格は有効なんやで。」
「高山さんは高山さんだから、、、。」 「あんなあ、奥さんに金の心配までさせるようになったら男はおしまいや。 別れたほうがええんとちゃうの?」
「そう思います?」 「仕事が無いから言うて生活保護に負んぶされるようになったら人生終わりやで。」
「その生活保護を、、、。」 「何や だらしない男やなあ。 捨ててまえ。」
「うーーーーん、、、。」 私は結論を出せなくて困っております。
「子供が小さいんならな考えんことも無いけど大きいんやろう? スッキリしてやったほうがいいんとちゃうの?」
今日の高山さんはどっか説得力が有りますねえ。 飲み込まれそうだわ。
仕事が終わって紅茶を飲んでいると高山さんがくっ付いてきた。 そして、、、。
知らない間に萌えちゃったのでーす。 疲れたわ。
シャワーを浴びて家に帰ってくると百合子がテレビを見ながらポッキーを食べてました。 平和だなあ。
ネットじゃあまたまた誰かの水着ショットがいいの悪いのと言われ放題に言われてますが、、、。 ここまで来ると何も言いたくなくなるわ。
「私はきれいなの。 見てね!」っていう承認欲求丸出しの女たちがやってることだから何にも言わないわ。 勝手にしろや。
まあ数年後が楽しみねえ。 「あの頃はあんなにきれいだったのに今は、、、?」って言ってもらえるんでしょうから。
まあ性的加工もガンガンやってもらいなさい。 それを売られて騒ぐだけ騒いで自滅しても私は知らないわ。
たまには昼寝を、、、。 そんな時間じゃないんだけどなあ。
だってもう5時半だもん。 夕食作らなきゃねえ。
何を作ろうかなあ? 「ねえねえ、お母さん 何処に言ってるのよ?」
「え?」 「そこさあ、物置なんだけど。」
「やっちゃった。」 「今日のお母さんはおかしいわ。」
「おかしいのはいつものことだけどなあ。」 「いつも以上におかしいわ。」
「なぬ?」 固まっていると百合子が目の前に飛んできました。
「お父さんさあ本気で生活保護受ける気だよ。」 「何だって?」
「役所に持って行く書類を集めてた。」 「あんにゃろう、、、。」
「生活保護受けたらどうなるの?」 「ママも働けなくなるのよ。」
「えーーー? こんなに頑張ってるのに?」 「そうねえ。 もっと働きたいわ。」
「だったらさあ、親父と別れちまいなよ。」 そこへ信二が入ってきました。
「あんたたちはいいの?」 「ちょっと喧嘩して辞めさせられたくらいで生保を受けるんじゃあ俺たちだって付き合ってられないよ。 あんなのほっといて別れちまいなよ。」
「おいおい、そんなでっかい声で言ったら聞こえるだろうがよ。」 「いいよ。 聞こえたから。 勝手にしろ!」
私たちの話を聞いていたのか狸は怒って家を出ていきました。 百合子も信二もシラーッとした顔で見送ってますが、、、。
「行く当てなんて有ったのかなあ?」 「まだまだおばあちゃんが健在だからね。」
「そっか。 またおばあちゃんにしこたま怒られてしょんぼりして帰ってくるのかなあ?」 「来ないと思うよ。」
「何で?」 「だってお兄ちゃんが「別れちまえ。」なんて言ったから。」
「そうだなあ。 別れろって言われてるのに帰っちゃ来れないわね。」 と、そこへ電話が、、、。
出てみると狸のお母さんです。 「ああ、美和子さんかい?」
「そうですけど、、、。」 「もうねえ、あの子はお宅には帰さないから。」
「そうですか。」 「まあせいぜい頑張りなさいよね。」
そう言って一方的に電話が切れました。 親子揃って、、、。
親も親なら子も子よねえ。 ねえ、高山さん。



