一回さあ全ての政党とか政治団体を廃止して議員先生個人で討論をやってみなさいよ。 どれだけの人がまともな討論をやれるかな?
だってさあ、ばあちゃんの子守歌のほうが余程にいいなって思う人が多いじゃない。 そりゃあそれなりに考え抜いてやってるんだとは思うけど。
 国民のことなんてまるで考えてないでしょう 自民党さん。 あんたら頭がでかいだけだもんねえ。
あたしらと同じ暮らしをやってみなさいよ。 一人として耐えられないでしょうけど。
 野党はもっとひどいわよね? そもそもの能力が無さ過ぎ。
顔とパホーマンスだけじゃあ政治はやれないのよ。 分かってる?
分かってたらバッヂなんて付けてないわよねえ。 ああ恥ずかしい。

 そんなこんなでムンムンした中途半端な気持ちでお風呂に飛び込んだのですが、、、。
ガラガラっとサッシが開いて百合子が入ってきました。 「どうしたの?」
「一緒に入りたくて。」 「そっか。 あんたも大変だもんねえ。」
 それで湯に浸かった百合子の肩を抱いてやります。 改めて顔を見てみると可愛いのよね こいつ。
どんな男を捕まえるんだろう? 狸みたいな役立たずはやめてね。
せめて真面目に働いてくれる人を、、、。 「ねえお母さん 何で父さんと知り合ったの?」
「え? それを聞いてくるんかい?」 「だってさあ、あんなのっぺらぼうみたいなお父さんじゃ先が思いやられるから、、、。」
 そうかもしれないなあ。 大した親父じゃないし、子供たちのことも考えてるようで考えてないし、、、。
「お父さんとはね、高校からの同級生だったのよ。」 「高校からの?」
 「そう。 目立たない男の子だった。」 「それが何で母さんと?」
「さあねえ。 よっぽどに寂しかったんじゃないのかなあ? 付き合ってくれっていきなり言ってきたのよ。」 「いきなりか。」
 「そうなのよ。 お母さんも困っちゃってさ、、、。 好きとも嫌いとも言えないしどうしたらいいか分からなくて、、、。」 「それでどうしたの?」
「泣きだしちゃったから取り敢えずはオッケーしたの。 そしたらそれからラブレターが山ほど来て、、、。」 「へえ、、、。」
 「でもね、結婚して30年。 あんたたちが生まれたのよ。」 「そうだったんだね。 お兄ちゃんはなかなか変な人だけど。」
なんてまあ狸親父のことを話してしまった私なのです。 これからどうなるんだろうねえ?
 寝室に戻って布団を広げたらバタンという音がしました。 (何だ?)
じっと様子を伺っていると「ああ疲れた。」という息子君の声。 (何だ、やつか。」)
 安心した私はそのまま眠りについたのでした。 平和な夜だこと、、、。

 朝になりましていつものように朝食を拵えております。 鍋がグツグツ言っております。
百合子たちも起きてきてさあさあ賑やかに朝食を、、、。
 そこへ狸が帰ってきました。 「ただいま。」
「お帰りなさい。 お腹空いたら食べてね。」 そう言うと私は味噌汁とご飯をテーブルに置いてバタバタと出掛けましたのです。
 冷たい嫁さんだなって思われるかもだけど今日は朝から鈴子さんたちに会わなきゃいけないのよ。 話し合いも有るしね。
事務所へ向かって歩いていると澄江さんが車で走ってきました。 「おはようございまーす。 早いのねえ?」
「ええ。 今日は鈴子さんたちと話し合いが有るんで、、、。」 「そうなの? 相変わらず大変ねえ。 何か有ったらいつでも呼んでね。」
澄江さんはそう言って朝一番の現場へ向かって行きました。
 事務所では公子さんたちがお茶を飲みながら書類の整理をしています。 「おはようございます。」
そこへ私もゴールイン!じゃなくて到着。 机に向かうと公子さんが、、、。
 「ねえねえ武井さん このごろ仕事が増えてるわねえ。」 「おかげ様で、、、。」
「それでさあ、これからもう少し増やしたいんだけどいいかな?」 「私は構いませんよ。」
 「では高柳町の吉村美幸さんもお願いするわね。」 「はいはい。」
それからというもの、鈴子さんとも話し合いをして「今後はガイドヘルパーにも挑戦しよう。」ってことになったんですよ。
 ガイドヘルパーってね、案外と難しいの。 利用者さんより速く歩いちゃいけないし急がせてもいけないし。
それにスロープとか段差には悉く注意しなきゃいけないのよね。 私に出来るかなあ?

 不安そうな顔で歩いているとまたまたクラクションを鳴らす車が、、、。 「こんにちはーーーー。」
振り向くと美和子さんじゃあーりませんか。 今日は高山さんが乗ってないみたい。
 「お仕事ですか?」 「そうなの。 これからおじいちゃんを世話するのよ。」 (大変ですねえ。)
「高山さんは?」 「ああ、今日は仕事が入ってないからお休みしてます。」
「そうなんだ。 それで大丈夫なの?」 「私も心配はしてるんだけど年金も貰ってるから大丈夫だって、、、。」
 「年金? そんな年じゃないでしょう?」 「いやいや、障害基礎年金ですよ。」
「ああ、そっちのほうか。」 「じゃあ仕事に行くので失礼しますねえ。」
美和子さんは手を振って行ってしまった。 明日は金曜日だなあ。

 何だかんだと考えながら仕事をしております。 おむつを替えたり掃除をしたり、食事を作ったり、、、。
思い切ってやってみたら案外と楽しいのよね。 今では怒鳴られることも雑巾を投げ付けられることも無いし。
 あちらこちらで世間話をしてきます。 昔は大家族だったからこんなのは嫁さんや子供たちの仕事だったのにね。
今はさあ各家族でしょう? ばあちゃんたちの話し相手も居なくなったよね。
 あたしらの世代は好き勝手なことばかり言ってるけど大丈夫なのかなあ? あたしがおばあちゃんになったら、、、?
その頃には息子君も百合子も家を出て行って居ないのよ。 どうするの?
 だから老々介護が問題になったんでしょうがね。 家族政策を見直さないと大変だよ。
今は若いから何でも出来るって思ってるでしょう? 30年経ってみなさいよ。
私だって80が目の前に迫るのよ。 その年で今みたいに動き回れると思って?
 とてもじゃないけど今みたいには動けないわよ。 それでも旦那しか頼れないの。
百合子だって結婚したら家を出て行くんだからね。 昔なら一緒に居たのに。
 子供がどうのって騒いでる人たちも居るけどだったら大家族を見直しなさいよ。 騒ぐのはそれからね。
少し前には二世代住宅とか宣伝してたじゃない。 家庭内別居とか家庭内離婚とかしてる場合じゃないのよ。
 お互いを見詰め合って萌えるのもいいけど大事な未来をどうするか真剣に考えなさいよね。
それでハッとしたら子供を殺したりは出来ないでしょうから。
 ほんとにね、何のために子供を産むの? 何のために子供を育てるの?
ずっとずっとこの国が繁栄するためにでしょう? 自分の快楽のためじゃないわよね?
ねえ、そこのお姉さん。 やりたいだけやり散らかして生まれたら殺すってどういうことよ?
はっきり答えなさい。 答えられないならあなたに親の資格なんて無いわよ。
あなたに日本で生まれる資格なんて無いわよ。 さっさと何処かへ行ってしまいなさい!

 私がおばあちゃんになったら、あなたはおじいちゃん。
かっこいいことを言っても階段で転ぶのよ。
 私が80になったら、あなたも80ね。
聞こえないとか見えないとか文句ばかり言わないでね お願いだから。
 私だって年は取りたくないわよ。 でも私らが年を取らなかったらこの星はどうなるの?
世界中の誰でもきっと死にたくないって思ってるわね。 いや自分が死ぬなんて夢にも思ってないわよね。
 でもね、いつかはきっと死ぬ日が来るのよ。 長生きしたいって思っても死ななきゃいけないの。
永遠に死なない生き物が生まれたらそれはきっと悪魔だわ。 死なない人間ばかりだったら地球がおかしくなる。
っていうか、その時点で人間は滅ぼされるでしょうね。 だって神の領域に手を出したことになるから。
ねえ、天神様。 そうですよね?