とはいってもだなあ、、、。 本当にうちの家族はどうしてみんなこうなの?
夕食を作りながら息子君がお尻をツンツンしてくるからだんだんとその気になっちゃうのよね。 何とかしてよ。
けどさあ、息子君の指先は何となく寂しそう。 お尻を振り振りしてやろうかな。
そう思って振り振り、、、。 「何ぶりっ子してんの?」
「え? ぶりっ子じゃないわよ。」 「じゃあ何かなあ?」
「ぶりっ子でもマスっ子でもないの。 私は私。」 「訳分らん。」
「いいのよーーーー。 分かんなくて。 大人の事情だから。」 「大人の事情ってこれでしょう?」
そう言って息子君が私のスカートを思い切り捲ったものだから百合子が飛んできました。 「ダメーーーーーー!」
「え?」 その声に二人して振り向いた私と息子君。 百合子が半泣きの顔で拝んでます。
「おいおい、何やってんのさ?」 「お母さんのスカート捲らないで。」
「ってことは?」 「見ちゃダメだってば。」
「二人揃って言い合いかい?」 「お母さんは料理作ってて。」
「はいはい。」 やっぱり我が家はどっか変なのよねえ。
さっきから二人は睨み合ったままですわ。 何か不動明王でも出てきそうな雰囲気。
「さあさ、ご飯出来たわよ。」 声を掛けると黙って食べ始める二人。
またまた今夜もお通夜化。 嫌だなあ。
と、そこへ狸が帰ってきました。 「あらあら早かったのねえ?」
「追い出された。」 「何ですって? 追い出された?」
「あんな会社にはもう行かない。」 始まったわ、、、。
これが始まると宥め空かすのが大変なのよ。 私の身にもなってよね。
「何で追い出されたの?」 「知らねえ。」
それってただあんたが墓穴を掘っただけじゃないのかい? 「まあお茶でも飲んで落ち着いて。」
そう言いながら私は濃いほうじ茶を出しましたです。 渋い顔をしながらチビチビと飲んでいる狸を見ながらオムレツを美味そうに頬張るのです。
まったくもってしてやったりだわ。 ざま見ろや あんたが真面目に働かないからこうなったのよ。
しばらくはほっといて後片付けをしていると電話が、、、。 「誰だろう?」
「あっもしもし? 奥さんですか?」 「そうですけど、、、。」
「社長の豊田です。 ご主人は、、、?」 「居ますけど何か?」
「頼みたいことが有りましてね。」 「頼みたいこと?」
私は思わず受話器を持ったまま狸を見詰めてしまいました。
「そうなんです。 明日の現場の指揮を執ってもらおうと思って、、、。」 「え? 喧嘩したんじゃ?」
「喧嘩? ああ、ただ揶揄って遊んでただけですよ みんなで。」 何だ、それにしても趣味悪いなあ。
私は半分呆れ顔で受話器を狸に、、、。 その後はどうなったのか知りませんです。
さてさて、うんざりさせられる我が家ですがこれでも親子は親子なんです。 どっかの親みたいに殴り殺したり雪に埋めたりはしませんですよ。
私が埋められるかもしれないけどねえ。 あはは、言っちゃった。
それにしても揶揄って遊んでたってどういうことなのよ? あんなのを弄っても面白くないでしょうに。
あの社長 趣味悪過ぎるよねえ。 もうちっとましな社員は居らんのかい?
そういう私も同じようなもんだけどねえ 公子さん。 最近は一緒に居ないからいいけどさ。
ってなわけで翌日もまたまた事務所に詣でるわけですよ。 「あらあら早いのねえ。」
うわ、公子さんが居るやないかい。 「どうしたの? ピノキオみたいな顔して。」
「へ? ピノキオ?」 「分かんないならいいわ。 今日も早いのねえ。」
「いっつも早く来てますけど、、、。」 「あらそう。 偉そうに、、、。」
公子さんは書類を持ったまま何処かへ行ってしまいました。 「おはようございまーす。」
そこへ入ってきたのはガイドヘルパーの田中雄二君。 滅多に登場しない彼も初登場でーす。
「武井さん 慣れました?」 「え?」
「この事務所 変なのばっかりでしょう? 慣れました?」 「ああ、公子さん以外はまだまともだからいいわよ。」
「ところがさあ、そうじゃないんだなあ。」 「何々? 何か有ったの?」
「鈴子さんと真理恵さん 出来てるんだって。」 「へ? 出来てる?」
私は二人の顔を並べて考え込んでしまった。 「社長もやらかしてるらしいしね。」
「あらまあ、それじゃあ問題だらけじゃない。」 「そうなんです。 瞬間湯沸かし器の公子さんだけじゃないんですよ。」
「でもさあ、何で田中君が知ってるの?」 「現場を見ちゃったから。」
「あらあら、それだったらどうしようもないわね。 睨まれたりしたんじゃない?」 「大丈夫。 相手は気付いてないから。」
「それってさあ、どっかで分かっちゃうわよ。」 「そのために先手を打ったんです。」
「先手?」 「10年働いてきましたけど別の事業所に移ることになりました。」
「そうだったのね?」 そこへ入ってきたのは澄江さんです。
「田中君 決断したのね?」 「ってことは知ってたんですか?」
「3年前に相談されたのよ。 こんなのを見ちゃったけどどうしようかって。」 「それで?」
「問題が問題だからばれるとやばいなって思ったの。 黙っておくから自分で決めなさいって言ったのよ。」 「それで転職、、、。」
「そうね。 スマイルはここよりはまともだから働きやすいと思うわよ。 頑張ってね。」 「はい。」
田中君が出掛けるのを見届けてから私も仕事に、、、。 「最初は斎藤絹江さんね? 私が送るわ。」
「いいんですか? ありがとうございます。」 とまあ、こんな感じで私も澄江さんも出発したんです。
「鈴子さんも厳しいことを言うけど自分じゃあガバガバなのよ。」 「そうなんだ。」
「事務所に居ないから分からないでしょう?」 「分からないほうがいいかも。」
「そうねえ。 公子さんも仕事はするけど口は悪いからねえ。」 澄江さんもあの二人のことは良く思って無いらしい。
斎藤さんの家の近くで降ろしてもらった私は鼻歌を歌いながら歩いております。 すると、、、。
走ってきた車がクラクションを鳴らして止まりました。 「おはようございまーす。 お早いですねえ。」
振り返るとドライバーの美和子さんです。 助手席に高山さんが乗ってますねえ。
「あらら、お仕事ですか?」 「そうなんです。 これから松浪町に向かいます。」
「頑張ってねえ。」 軽く手を振ってやります。
その瞬間、またあの日のことを思い出してしまいましたわ。 あーん、萌えちゃう。
さてさて萌えてばかりはいられないのよ。 仕事だ仕事だ。
最近は公子さんも見には来ないから楽でいいわ。 利用者さんたちと羽目を外してお喋りすることだって有るんだからねえ。
時々は公子さんの話題も出てきます。 私としては話したくないんだけどさあ、、、。
あんなとんがり防止ののっぺらぼうの話なんかしたくないわよ。 思い出すだけでイライラするんだから。
でも事業所の責任者だからさあ、一応は持ち上げてやらないとねえ。 掃除をしながらそんなことばかり考える私なのです。
親分からしたら居てほしくないわよねえ こんな従業員。 でもさ、やってらんないのよ。
昼までに3件何とかこなしましていつもの食堂へ滑り込みーーーーーー! っと思ったら今日は休業日。
えーーーーいちきしょうめ! 嫌だけどラーメン屋に飛び込むわ。
そしたら、なななななんと公子さんが食べているではないかいな。 何たる悪運。
気付いてないみたいだからトイレの近くの席に落ち着いてっと、、、それでチャーハンと小盛ラーメンを頼みましたです。
ラーメンが来るまでにスマホのメールを確認。 (よしよし。 気付いてないぞ。)
私がラーメンを食べ始めた頃、公子さんはささくさと店を出て行きました。 よしよし。
夕食を作りながら息子君がお尻をツンツンしてくるからだんだんとその気になっちゃうのよね。 何とかしてよ。
けどさあ、息子君の指先は何となく寂しそう。 お尻を振り振りしてやろうかな。
そう思って振り振り、、、。 「何ぶりっ子してんの?」
「え? ぶりっ子じゃないわよ。」 「じゃあ何かなあ?」
「ぶりっ子でもマスっ子でもないの。 私は私。」 「訳分らん。」
「いいのよーーーー。 分かんなくて。 大人の事情だから。」 「大人の事情ってこれでしょう?」
そう言って息子君が私のスカートを思い切り捲ったものだから百合子が飛んできました。 「ダメーーーーーー!」
「え?」 その声に二人して振り向いた私と息子君。 百合子が半泣きの顔で拝んでます。
「おいおい、何やってんのさ?」 「お母さんのスカート捲らないで。」
「ってことは?」 「見ちゃダメだってば。」
「二人揃って言い合いかい?」 「お母さんは料理作ってて。」
「はいはい。」 やっぱり我が家はどっか変なのよねえ。
さっきから二人は睨み合ったままですわ。 何か不動明王でも出てきそうな雰囲気。
「さあさ、ご飯出来たわよ。」 声を掛けると黙って食べ始める二人。
またまた今夜もお通夜化。 嫌だなあ。
と、そこへ狸が帰ってきました。 「あらあら早かったのねえ?」
「追い出された。」 「何ですって? 追い出された?」
「あんな会社にはもう行かない。」 始まったわ、、、。
これが始まると宥め空かすのが大変なのよ。 私の身にもなってよね。
「何で追い出されたの?」 「知らねえ。」
それってただあんたが墓穴を掘っただけじゃないのかい? 「まあお茶でも飲んで落ち着いて。」
そう言いながら私は濃いほうじ茶を出しましたです。 渋い顔をしながらチビチビと飲んでいる狸を見ながらオムレツを美味そうに頬張るのです。
まったくもってしてやったりだわ。 ざま見ろや あんたが真面目に働かないからこうなったのよ。
しばらくはほっといて後片付けをしていると電話が、、、。 「誰だろう?」
「あっもしもし? 奥さんですか?」 「そうですけど、、、。」
「社長の豊田です。 ご主人は、、、?」 「居ますけど何か?」
「頼みたいことが有りましてね。」 「頼みたいこと?」
私は思わず受話器を持ったまま狸を見詰めてしまいました。
「そうなんです。 明日の現場の指揮を執ってもらおうと思って、、、。」 「え? 喧嘩したんじゃ?」
「喧嘩? ああ、ただ揶揄って遊んでただけですよ みんなで。」 何だ、それにしても趣味悪いなあ。
私は半分呆れ顔で受話器を狸に、、、。 その後はどうなったのか知りませんです。
さてさて、うんざりさせられる我が家ですがこれでも親子は親子なんです。 どっかの親みたいに殴り殺したり雪に埋めたりはしませんですよ。
私が埋められるかもしれないけどねえ。 あはは、言っちゃった。
それにしても揶揄って遊んでたってどういうことなのよ? あんなのを弄っても面白くないでしょうに。
あの社長 趣味悪過ぎるよねえ。 もうちっとましな社員は居らんのかい?
そういう私も同じようなもんだけどねえ 公子さん。 最近は一緒に居ないからいいけどさ。
ってなわけで翌日もまたまた事務所に詣でるわけですよ。 「あらあら早いのねえ。」
うわ、公子さんが居るやないかい。 「どうしたの? ピノキオみたいな顔して。」
「へ? ピノキオ?」 「分かんないならいいわ。 今日も早いのねえ。」
「いっつも早く来てますけど、、、。」 「あらそう。 偉そうに、、、。」
公子さんは書類を持ったまま何処かへ行ってしまいました。 「おはようございまーす。」
そこへ入ってきたのはガイドヘルパーの田中雄二君。 滅多に登場しない彼も初登場でーす。
「武井さん 慣れました?」 「え?」
「この事務所 変なのばっかりでしょう? 慣れました?」 「ああ、公子さん以外はまだまともだからいいわよ。」
「ところがさあ、そうじゃないんだなあ。」 「何々? 何か有ったの?」
「鈴子さんと真理恵さん 出来てるんだって。」 「へ? 出来てる?」
私は二人の顔を並べて考え込んでしまった。 「社長もやらかしてるらしいしね。」
「あらまあ、それじゃあ問題だらけじゃない。」 「そうなんです。 瞬間湯沸かし器の公子さんだけじゃないんですよ。」
「でもさあ、何で田中君が知ってるの?」 「現場を見ちゃったから。」
「あらあら、それだったらどうしようもないわね。 睨まれたりしたんじゃない?」 「大丈夫。 相手は気付いてないから。」
「それってさあ、どっかで分かっちゃうわよ。」 「そのために先手を打ったんです。」
「先手?」 「10年働いてきましたけど別の事業所に移ることになりました。」
「そうだったのね?」 そこへ入ってきたのは澄江さんです。
「田中君 決断したのね?」 「ってことは知ってたんですか?」
「3年前に相談されたのよ。 こんなのを見ちゃったけどどうしようかって。」 「それで?」
「問題が問題だからばれるとやばいなって思ったの。 黙っておくから自分で決めなさいって言ったのよ。」 「それで転職、、、。」
「そうね。 スマイルはここよりはまともだから働きやすいと思うわよ。 頑張ってね。」 「はい。」
田中君が出掛けるのを見届けてから私も仕事に、、、。 「最初は斎藤絹江さんね? 私が送るわ。」
「いいんですか? ありがとうございます。」 とまあ、こんな感じで私も澄江さんも出発したんです。
「鈴子さんも厳しいことを言うけど自分じゃあガバガバなのよ。」 「そうなんだ。」
「事務所に居ないから分からないでしょう?」 「分からないほうがいいかも。」
「そうねえ。 公子さんも仕事はするけど口は悪いからねえ。」 澄江さんもあの二人のことは良く思って無いらしい。
斎藤さんの家の近くで降ろしてもらった私は鼻歌を歌いながら歩いております。 すると、、、。
走ってきた車がクラクションを鳴らして止まりました。 「おはようございまーす。 お早いですねえ。」
振り返るとドライバーの美和子さんです。 助手席に高山さんが乗ってますねえ。
「あらら、お仕事ですか?」 「そうなんです。 これから松浪町に向かいます。」
「頑張ってねえ。」 軽く手を振ってやります。
その瞬間、またあの日のことを思い出してしまいましたわ。 あーん、萌えちゃう。
さてさて萌えてばかりはいられないのよ。 仕事だ仕事だ。
最近は公子さんも見には来ないから楽でいいわ。 利用者さんたちと羽目を外してお喋りすることだって有るんだからねえ。
時々は公子さんの話題も出てきます。 私としては話したくないんだけどさあ、、、。
あんなとんがり防止ののっぺらぼうの話なんかしたくないわよ。 思い出すだけでイライラするんだから。
でも事業所の責任者だからさあ、一応は持ち上げてやらないとねえ。 掃除をしながらそんなことばかり考える私なのです。
親分からしたら居てほしくないわよねえ こんな従業員。 でもさ、やってらんないのよ。
昼までに3件何とかこなしましていつもの食堂へ滑り込みーーーーーー! っと思ったら今日は休業日。
えーーーーいちきしょうめ! 嫌だけどラーメン屋に飛び込むわ。
そしたら、なななななんと公子さんが食べているではないかいな。 何たる悪運。
気付いてないみたいだからトイレの近くの席に落ち着いてっと、、、それでチャーハンと小盛ラーメンを頼みましたです。
ラーメンが来るまでにスマホのメールを確認。 (よしよし。 気付いてないぞ。)
私がラーメンを食べ始めた頃、公子さんはささくさと店を出て行きました。 よしよし。



