狸は散歩した帰りにそのまま仕事に行ってしまいましたわ。 どうやら小遣いさんみたい。
小さな仕事ばかり貰って動き回ってるんだってさあ。 馬鹿みたい。
社長と喧嘩なんてするからそうなっちゃうのよ。 相手は喧嘩したって勝てないんだから頭を使いなさいよね まったく。
そんなわけで今日も11時過ぎに疲れて帰ってきたようですわ。 ガサガサ音がするから食堂を覗くと一人寂しくチャーハンを温めて食べてました。
あんまりにも可哀そうだからそっとお茶を入れてやりまして、、、。 「お疲れさま。」って言ってやりました。
翌日、月曜日は朝からまたまた走り回ります。 公子さんの仕事を半分分けてもらったんですよ。 おかげで公子さんは嬉しそう。
そんなんで喜んでもらっても困るんだけどなあ。 あたしはあんたの文句ばかり聞いてるんだから。
狸はというと今日は休みなんですよ。 それで朝からボーっとしてるみたい。
まだまだ50にもならないんだからさあ、今からボケられても困るのよねえ。 近所の奥さんに「美和子ーーーー。」なんて言い寄られても困るし。
ちっとは趣味の一つくらい持ちなさいよね。 お前は有るのかって?
うーーーーーん、無かった。 子育てが忙しくてさあ。
だって子供3人も居るんだもん。 一番厄介なのがあの糞狸ね。
あいつがまともになってくれたら趣味の一つくらい考えるわよ。 それまでは無理ねえ。
あれやこれやと考えながら動き回ってたら昼になりました。 坂本京子さんの家にまで来てるから昼は近くのラーメン屋で、、、。
ガラガラっと戸を開けて入ってみるとびっくり。 高山さんが来てるではないかいな。
その隣鹿空いてなかったから意を決して座りましょうか。 「こんにちは。」
「おー、武井さんやないか。 どないしたん?」 「仕事で回ってるんですよ。」
「そっか。 仕事か。」 「高山さんは?」
「俺も仕事で回ってるところや。」 「仕事?」
「そや。 訪問マッサージやってんねん。」 そしたら隣の女の子がペコリと頭を下げてきた。
「ドライバーの吉田美和子です。 よろしく。」 「え? あなたも美和子さん? 私もよ。」
「あらあら、奇遇ですねえ。」 「ここで食べることは多いんですか?」
「月曜日はここで食べてます。」 (じゃあさあ、毎週高山さんとここで会うんかい。)
私の頭の中は昨日の高山さんでいっぱいになりました。 あーーーーん、戻りたい。
高山さんと別れてまたまた私は家庭訪問、、、じゃなくてヘルパーの旅に、、、。
東山さんの家を出て次に急いでいると、、、。 追い掛けるようにクラクションが鳴りました。
ビクッとして立ち止まったら家の前の花壇につんのめってしまって、、、。 「いてててて、、、。」
「大丈夫?」 そこへ降りてきたのはなんとまあ公子さんではないかいな。
「武井さん 大丈夫?」 「大丈夫ですよーーーー。 若いから。」
「それならいいんだけど、、、。」 あんたがいきなりクラクション鳴らすから悪いんやろが。
「それでさあ、何処に向かってるの?」 「立川洋平さんのお宅です。」
「あらそう、、、、。 近いわね。」 何だか寂しそうに公子さんは車を走らせて行ってしまいました。
何なのよーーーーーーー? こっちは転んで痛かったんだからねえ。
あんちきしょう、弁償くらいしろよーーーーー!
高山さんと出くわして以来、どうも気分が上擦ってるんです 私。 昨日の夢の続きを見たいわーー。
まだまだ足りないのよ。 って何だと思う?
さあねえ、あなたには分からないわよね? 私の気持ちなんて。
何 思わせぶりなことを考えてるんだろう? やっぱり変だわ。
家に帰ってくると息子君が珍しくラジコンを飛ばしていました。 「ワーーーーオ!」
「何 酔っ払った鰐みたいな顔をしてるのさ?」 「あんたが庭に出てるから驚いたじゃない。」
「いいじゃん。 やっとラジコンを買えたんだ。 飛ばしてるんだよ。」 「へえ、、、あんたがラジコンねえ?」
「こいつは戦闘機だから欲しかったんだ。」 「そうですかそうですか。」
私はとにかく一休みしたくて居間に飛び込んだのよ。 そしたら百合子が大の字になって寝転がってた。
「お姫様 風邪ひくわよ。」 「うーーーん、ママと一緒に居たい。」
(こいつ、マザコン?) そうでもなさそうだけどなあ。
隣に寝そべってみる。 そしたら百合子が飛び込んできた。
「ギャーーーーーー!」 予想もしない大声にあたしのほうがびっくり。
「百合子様 どうしたの?」 「びっくりした。 なんかね、崖から転げ落ちる夢を見たのよ。」
「崖?」 「そう。 なんかね、岩がゴロゴロしてて滑りやすい崖に登ってたの。」
「へえ。 それで?」 「やっと頂上に着いたと思ったら転げ落ちたのよ。」
あんたねえ、あんたが登ってた崖ってあたしのお腹なのよ。 どうしてくれるのさ?
「百合子さあ、お母さんと何じゃれまくってんだ?」 そこへ息子君が入ってきたから大変。
百合子は真っ赤になって部屋に飛んで行きました。 「お母さんも何やってんのさ?」
「は? 何にもしてないけど、、、。」 「百合子と絡んでたじゃない。 仲良しなんだねえ。」
息子君はラジコンを掃除しながら私の顔をジーーーっと見詰めるのでありますよ。 なんかドキドキしちゃうわねえ。
思えば息子とも百合子とも狸とも絡んでいる私なのに、高山さんに一番萌えてるなんて変よねえ? ねえ、おばあちゃん?
「そうやないかい。 あんたさあ何人絡んだら気が済むのよ? いい加減におし。」 おばあちゃんにまで恨まれちゃうわ。
取り敢えずは気を取り直して夕食を作りましょうか。 そしたら息子君が台所に来ました。
「何か用?」 「暇だから来たの。 やること有ったら手伝うよ。」
「いーーーーっぱい有るわよ。 手伝って。」 「いいけど百合子はいいの?」
「さあねえ。 今頃は寝てるんじゃないの?」 「起きてるわよ お母さん。」
「うわ、、、。」 「驚き過ぎだってば。 アラレちゃんじゃないんだから。」
「そ、そうよねえ。 あはは。」 「なんか最近のお母さん 変だよ。」
「前から変だけど。」 「ひどーい。 お兄ちゃん お兄ちゃんだって変じゃないよ。」
「そうそう。 この家族はみーーーーーーーーんな変なの。」 「そっか。 そうなのか。」
「おいおい、そこで納得されても困るんだけど。」 「誰が困るの?」
「あたしよ あたし。」 「お母さんが? 信じられないなあ。」
まったくもう、、、、、、、、どいつもこいつも変なんだから。
「さてさて夕食を手伝いますかねえ。」 息子君がニヤニヤしながら寄ってきました。
「いいけど見返りは無いわよ。」 「見返り? ああ、これで十分。」
息子君はお尻をツンツンしてきます。 「やめなさいって。 百合子が妬いちゃうでしょう?」
「やっぱり百合子とも絡んでるんだねえ。 どうだった?」 「どうだったって何がよ?」
「お兄ちゃんよりはましだよ。」 そこへ部屋に籠ったはずの百合子が入ってきました。
「今晩は何を食べるの?」 「久しぶりにオムレツとクリームシチューにしようかと、、、。」
「ワーオ、お兄ちゃん頑張ってねえ。」 「俺が何で頑張るんだよ?」
「いいじゃない。 お母さんといいことしたいんでしょう?」 「いや、、、それは、、、、。」
「ごまかさなくてもいいよ。 ばれてるからさあ。」 「お前に言われたくないわ。」
「二人ともやめなさい。」 「お母さんはどっちがいいの?」
「え? え? え?」 究極の質問だわ。
そんなことを真昼間から聞くんじゃないわよ。 まったくもう、、、。
小さな仕事ばかり貰って動き回ってるんだってさあ。 馬鹿みたい。
社長と喧嘩なんてするからそうなっちゃうのよ。 相手は喧嘩したって勝てないんだから頭を使いなさいよね まったく。
そんなわけで今日も11時過ぎに疲れて帰ってきたようですわ。 ガサガサ音がするから食堂を覗くと一人寂しくチャーハンを温めて食べてました。
あんまりにも可哀そうだからそっとお茶を入れてやりまして、、、。 「お疲れさま。」って言ってやりました。
翌日、月曜日は朝からまたまた走り回ります。 公子さんの仕事を半分分けてもらったんですよ。 おかげで公子さんは嬉しそう。
そんなんで喜んでもらっても困るんだけどなあ。 あたしはあんたの文句ばかり聞いてるんだから。
狸はというと今日は休みなんですよ。 それで朝からボーっとしてるみたい。
まだまだ50にもならないんだからさあ、今からボケられても困るのよねえ。 近所の奥さんに「美和子ーーーー。」なんて言い寄られても困るし。
ちっとは趣味の一つくらい持ちなさいよね。 お前は有るのかって?
うーーーーーん、無かった。 子育てが忙しくてさあ。
だって子供3人も居るんだもん。 一番厄介なのがあの糞狸ね。
あいつがまともになってくれたら趣味の一つくらい考えるわよ。 それまでは無理ねえ。
あれやこれやと考えながら動き回ってたら昼になりました。 坂本京子さんの家にまで来てるから昼は近くのラーメン屋で、、、。
ガラガラっと戸を開けて入ってみるとびっくり。 高山さんが来てるではないかいな。
その隣鹿空いてなかったから意を決して座りましょうか。 「こんにちは。」
「おー、武井さんやないか。 どないしたん?」 「仕事で回ってるんですよ。」
「そっか。 仕事か。」 「高山さんは?」
「俺も仕事で回ってるところや。」 「仕事?」
「そや。 訪問マッサージやってんねん。」 そしたら隣の女の子がペコリと頭を下げてきた。
「ドライバーの吉田美和子です。 よろしく。」 「え? あなたも美和子さん? 私もよ。」
「あらあら、奇遇ですねえ。」 「ここで食べることは多いんですか?」
「月曜日はここで食べてます。」 (じゃあさあ、毎週高山さんとここで会うんかい。)
私の頭の中は昨日の高山さんでいっぱいになりました。 あーーーーん、戻りたい。
高山さんと別れてまたまた私は家庭訪問、、、じゃなくてヘルパーの旅に、、、。
東山さんの家を出て次に急いでいると、、、。 追い掛けるようにクラクションが鳴りました。
ビクッとして立ち止まったら家の前の花壇につんのめってしまって、、、。 「いてててて、、、。」
「大丈夫?」 そこへ降りてきたのはなんとまあ公子さんではないかいな。
「武井さん 大丈夫?」 「大丈夫ですよーーーー。 若いから。」
「それならいいんだけど、、、。」 あんたがいきなりクラクション鳴らすから悪いんやろが。
「それでさあ、何処に向かってるの?」 「立川洋平さんのお宅です。」
「あらそう、、、、。 近いわね。」 何だか寂しそうに公子さんは車を走らせて行ってしまいました。
何なのよーーーーーーー? こっちは転んで痛かったんだからねえ。
あんちきしょう、弁償くらいしろよーーーーー!
高山さんと出くわして以来、どうも気分が上擦ってるんです 私。 昨日の夢の続きを見たいわーー。
まだまだ足りないのよ。 って何だと思う?
さあねえ、あなたには分からないわよね? 私の気持ちなんて。
何 思わせぶりなことを考えてるんだろう? やっぱり変だわ。
家に帰ってくると息子君が珍しくラジコンを飛ばしていました。 「ワーーーーオ!」
「何 酔っ払った鰐みたいな顔をしてるのさ?」 「あんたが庭に出てるから驚いたじゃない。」
「いいじゃん。 やっとラジコンを買えたんだ。 飛ばしてるんだよ。」 「へえ、、、あんたがラジコンねえ?」
「こいつは戦闘機だから欲しかったんだ。」 「そうですかそうですか。」
私はとにかく一休みしたくて居間に飛び込んだのよ。 そしたら百合子が大の字になって寝転がってた。
「お姫様 風邪ひくわよ。」 「うーーーん、ママと一緒に居たい。」
(こいつ、マザコン?) そうでもなさそうだけどなあ。
隣に寝そべってみる。 そしたら百合子が飛び込んできた。
「ギャーーーーーー!」 予想もしない大声にあたしのほうがびっくり。
「百合子様 どうしたの?」 「びっくりした。 なんかね、崖から転げ落ちる夢を見たのよ。」
「崖?」 「そう。 なんかね、岩がゴロゴロしてて滑りやすい崖に登ってたの。」
「へえ。 それで?」 「やっと頂上に着いたと思ったら転げ落ちたのよ。」
あんたねえ、あんたが登ってた崖ってあたしのお腹なのよ。 どうしてくれるのさ?
「百合子さあ、お母さんと何じゃれまくってんだ?」 そこへ息子君が入ってきたから大変。
百合子は真っ赤になって部屋に飛んで行きました。 「お母さんも何やってんのさ?」
「は? 何にもしてないけど、、、。」 「百合子と絡んでたじゃない。 仲良しなんだねえ。」
息子君はラジコンを掃除しながら私の顔をジーーーっと見詰めるのでありますよ。 なんかドキドキしちゃうわねえ。
思えば息子とも百合子とも狸とも絡んでいる私なのに、高山さんに一番萌えてるなんて変よねえ? ねえ、おばあちゃん?
「そうやないかい。 あんたさあ何人絡んだら気が済むのよ? いい加減におし。」 おばあちゃんにまで恨まれちゃうわ。
取り敢えずは気を取り直して夕食を作りましょうか。 そしたら息子君が台所に来ました。
「何か用?」 「暇だから来たの。 やること有ったら手伝うよ。」
「いーーーーっぱい有るわよ。 手伝って。」 「いいけど百合子はいいの?」
「さあねえ。 今頃は寝てるんじゃないの?」 「起きてるわよ お母さん。」
「うわ、、、。」 「驚き過ぎだってば。 アラレちゃんじゃないんだから。」
「そ、そうよねえ。 あはは。」 「なんか最近のお母さん 変だよ。」
「前から変だけど。」 「ひどーい。 お兄ちゃん お兄ちゃんだって変じゃないよ。」
「そうそう。 この家族はみーーーーーーーーんな変なの。」 「そっか。 そうなのか。」
「おいおい、そこで納得されても困るんだけど。」 「誰が困るの?」
「あたしよ あたし。」 「お母さんが? 信じられないなあ。」
まったくもう、、、、、、、、どいつもこいつも変なんだから。
「さてさて夕食を手伝いますかねえ。」 息子君がニヤニヤしながら寄ってきました。
「いいけど見返りは無いわよ。」 「見返り? ああ、これで十分。」
息子君はお尻をツンツンしてきます。 「やめなさいって。 百合子が妬いちゃうでしょう?」
「やっぱり百合子とも絡んでるんだねえ。 どうだった?」 「どうだったって何がよ?」
「お兄ちゃんよりはましだよ。」 そこへ部屋に籠ったはずの百合子が入ってきました。
「今晩は何を食べるの?」 「久しぶりにオムレツとクリームシチューにしようかと、、、。」
「ワーオ、お兄ちゃん頑張ってねえ。」 「俺が何で頑張るんだよ?」
「いいじゃない。 お母さんといいことしたいんでしょう?」 「いや、、、それは、、、、。」
「ごまかさなくてもいいよ。 ばれてるからさあ。」 「お前に言われたくないわ。」
「二人ともやめなさい。」 「お母さんはどっちがいいの?」
「え? え? え?」 究極の質問だわ。
そんなことを真昼間から聞くんじゃないわよ。 まったくもう、、、。



