「嵌める?」 「地下アイドルは仕事がほとんど無いから小遣い稼ぎをやってるんだ。 それでも生活できないから親父に貢がせるやつも居るんだよ。」
「あんた、意外と詳しいのねえ。」 「うちには地下アイドルの事務所の連中も飲みに来てるから。」
(あいつなら引っ掛かりかねんなあ。 女にはとことん弱いから。) じゃあ、ここで奥さんの出番やないかーーーーーーい。
それでも今回は放置することにしました。 痛い目に遭わんとあのボケは分からんから。
ああ怖い怖い。
そんなわけで今夜は旦那様もおちおち寝れない様子。 社長には怒鳴られるわ、息子君には秘密を握られるわで、いい所が有りませんねえ。
だいたいねえ、あんたみたいな昼行燈に引っ付いてくるような女が、、、。 ここに居た。
振り上げた拳を下ろせないじゃないのよーーーー。 何とかしてよ くそ狸目!
翌日は朝から旦那さんは機嫌も悪そうに部屋に籠ってます。 「朝食置いとくからねえ。」
取り敢えず声だけ掛けておいて私は仕事に行きますです。 私まで休んだら何をしでかすか分からないからねえ。
学生時代もああだったんだって。 だから友達もそんなに居なかったらしいわねえ。
でもさあ、罷り間違って私とくっ付いちゃったのよ 淳太郎君。 何でなのかなあ?
あいつは運命の人にはとても見えないんだけどさあ。 神様も分かってないなあ。
もっといいのをくっ付けてくれればよかったのに、、、。
おかげで我が家は毎日大変なのよ。 娘ちゃんは何を考えてるか分からないし、、、。
あれこれ考えながら事務所で時間を潰します。 午前中の仕事が休みになったのよ。
時々、電話が掛かってくるの。 ヘルパーの設定とか、予約とか、、、。
メモだけ取っといて後は公子さんたちに放り投げてやるの。
しかしまあ、音が無いっていうのは眠くなるわねえ。 と思ったら玄関で、、、。
バン! 「何か音がしたぞ。」
慌てて出てみると、同行援助から帰ってきた木村君がヘッドライトを割っちゃったらしい。 よりによってヘッドライトかよ、、、。
「いやあ、ブロックに気付かなかったんですよ。」 先月も割ったやないかい。
あんたねえ、運転下手すぎ。 去年もランプを何個割ったのよ?
「所長にも報告しなきゃねえ。」 「また怒られるか。」
「これで何回目?」 「分かりません。」
「辞めたほうがいいよ。 この仕事に合ってないんじゃないの?」 「そうかも。」
認めるなよ バカ! 私の立場が無くなるでしょうが!
ぶつくさ言ってたら公子さんが帰ってきました。 「あらあら、またライト割ったのね?」
事も無げに公子さんは辺りの掃除をして「所長に言っといてね。」って私に託を、、、。
えーい、ちきしょうめ! 私が何で後始末をしなきゃいけないのよ? 「だって、あなたが見てたんでしょう?」
「見てません。 聞いただけです。」 「つべこべ言わずにやっといてね。 忙しいんだから。」
(ここの責任者はあんたでしょうがよ。) 「はいはい、、、そうですね。」
公子さんが出て行った後、澄江さんたちが入れ違いに帰ってきました。 「あらあら、留守番ありがとね。」
「いえいえ、こちらも暇でしたから。」 「さてと、、、武井さん 昼からは外勤よね?」
「そうです。 3軒ほど回ってきます。」 「頑張ってね。 公子さんはほっといてもいいから。」
「ありがとうございます。 (助かるわ。)」 んでもって3人で昼食を、、、。
と思ったらスマホが鳴りました。 嫌な予感しかしないんだけどなあ。
番号を見ると案の定、旦那様から、、、。 気を取り直して出てみますと、、、。
「こないだ、話してた会社はダメだった。」とのこと。 ざま見ろや。
だからあんたは何処に行っても使い物にならないのよ。 ちっとは自覚しなさいや。
「そうなの? 残念だったわね。 いい所が在ればいいのにねえ。 取り敢えず優しく言っておきます。
そうじゃないと帰ってからが怖いからねえ、あの狸。 「ご主人 仕事探してるの?」
「そうなんでしょ。 いつもああやって断られてばかりなの。」 「大変ねえ。 50も過ぎたら簡単には雇わないからねえ。」
「技術でも有ればいいんですけど、、、。」 「何か出来ないの?」
「うーーーーん、女に弄ばれるだけ。」 「何だそりゃ?」
おかげで澄江さんたちにまで笑われてしまったわよ。 あのバカ!
さてさて、仕事が終わって帰ってきたのは5時半です。 急いで夕食を、、、。
「おー、帰ってきたのか?」 「悪かった?」
「別に、、、。」 不意に台所に入ってきた旦那様、、、。
何をするのかと思ったら、、、。 私のお尻を撫でております。
「嫌ねえ。 やりたくなるじゃないの。」 「じゃあさあ、今からやろうぜ。」
「アホか。 息子たちが帰ってくるでしょうが。」 「いいじゃないか。」
そう言ったかと思うと旦那様は私の腕を捕まえて寝室へ、、、。
「料理、途中なんだけど。」 「後からやればいいだろう?」
そんな問題じゃないっつうの。 ああ、ああ、ああ、ああ、。
ってなわけで今日も冴えない旦那様とイチャイチャ、、、。 ってかさあ、暇だからって肩を揉ませるなよ 疲れてるんだから。
そんなこんなでやっと解放してもらった私は慌てて夕食を作り直しております。 (ったくもう、私のことはこれっぽっちも考えてないんだからね あの人は。)
「お前も好きなんだろう? だからくっ付いたんだ。」なんて言うけれど、泣いて頼みに来たのは誰よ?
「一生 幸せにするから結婚してくれ。」って土下座してたよね? もうお忘れですか?
私は忘れませんよ あんな一生の後悔を。
夕食が出来上がる頃、娘ちゃんが泣きながら帰ってきました。 「どうしたの?」
「仲良しだった竜子ちゃんと喧嘩しちゃったあ。」 「そうそう。 何より大変ねえ。」
「お母さんには分からないのよ。 バカ!」 そう言って娘ちゃんは自分の部屋へ、、、。
バカもくそもあるかいな。 まだ話は聞いてないんですけど、、、。
そこへ息子君が帰ってきました。 「バイトは?」
「今日はねえ、休みなの。 たまにはいいかって。」 「たまには、、、ね。」
「何か有ったの?」 「百合子がさあ、友達と喧嘩したって泣いてるのよ。」
「あいつが? 喧嘩ねえ、、、。」 「仲良しだったんだって。」
「もしかして竜子?」 「知ってるの?」
「あいつの兄さんと友達なんだよ。 竜子にはほとほと困ってるって聞いてたっけ。」 「そんなに?」
「なんでもさ、援交やってるって噂だよ。」 「その子が?」
「何人か誘ってやってるんだって兄さんからも聞いたよ。」 「じゃあ、それに誘われたのかな?」
「百合子なら心配ないよ。 彼氏も居るからさ。」 「うっそだあ。 あいつに彼氏?」
「母さん、そんなでかい声を出さないでよ。 上に居るんでしょう?」 「聞いてたわよ。」
二人で話していると食堂のドアがスッと開きました。 「びっくりさせるなよ ボケ。」
「いいもん。 私なんていつでも家出してやるんだから。」 「何処に?」
「さあねえ。」 「ちょい待て。 行く所も無いんかい?」
「百合子に行く所が有ったら俺だって驚くよ。」 「そりゃそうだけどさあ、、、取り合えず夕食を、、、。」
我が家はなんでこんなに問題児が多いの? どいつもこいつも考えてないよなあ。
まあまあ、静かになったところで旦那様も腹を空かせたのか食堂に入ってきました。
んでまた今夜も4人揃って黙々と食べてます。 美味いともまずいとも言いません。
なんかさあ、この雰囲気すごーーーーーーく嫌なんだけど。
元はと言えば旦那様が社長と喧嘩するからなのよ まったく何を考えてるんだか、、、。
テレビはいつものように点けてあります。 静かすぎるのも怖いんでね。
夜なんてさあ、ミシミシギシギシ怖いんだからね、この家。
霊媒師でも呼んでこようかって思うくらいだわよ まったく。 誰がこんな襤褸屋に住もうなんて言ったのよ? あたしか、、、。
ほんとにねえ、階段なんて怖くて夜は上がれないわよ。 怪談じゃないんだから。
あーあ、すっきりしたいなあ。 何処かに王子さまは居ないのかしら?
「ここに居るけど、、、。」 あんたは息子の信二君でしょうが。
「いいじゃない。 息子でも。」 「良くないわよ。 あの狸が噴火するでしょうが。」
「その時はその時だよ。 ねえ、母さん。」 居間でのんびりしていた私に息子君が絡んできたのです。
若いからまあいいか。 ってそんな問題じゃないっつうの。
親子恋愛なんて映画じゃないんだからさあ。 でも逃げられないのよね。
何回もこうやって絡んでるんだから。
「あんた、意外と詳しいのねえ。」 「うちには地下アイドルの事務所の連中も飲みに来てるから。」
(あいつなら引っ掛かりかねんなあ。 女にはとことん弱いから。) じゃあ、ここで奥さんの出番やないかーーーーーーい。
それでも今回は放置することにしました。 痛い目に遭わんとあのボケは分からんから。
ああ怖い怖い。
そんなわけで今夜は旦那様もおちおち寝れない様子。 社長には怒鳴られるわ、息子君には秘密を握られるわで、いい所が有りませんねえ。
だいたいねえ、あんたみたいな昼行燈に引っ付いてくるような女が、、、。 ここに居た。
振り上げた拳を下ろせないじゃないのよーーーー。 何とかしてよ くそ狸目!
翌日は朝から旦那さんは機嫌も悪そうに部屋に籠ってます。 「朝食置いとくからねえ。」
取り敢えず声だけ掛けておいて私は仕事に行きますです。 私まで休んだら何をしでかすか分からないからねえ。
学生時代もああだったんだって。 だから友達もそんなに居なかったらしいわねえ。
でもさあ、罷り間違って私とくっ付いちゃったのよ 淳太郎君。 何でなのかなあ?
あいつは運命の人にはとても見えないんだけどさあ。 神様も分かってないなあ。
もっといいのをくっ付けてくれればよかったのに、、、。
おかげで我が家は毎日大変なのよ。 娘ちゃんは何を考えてるか分からないし、、、。
あれこれ考えながら事務所で時間を潰します。 午前中の仕事が休みになったのよ。
時々、電話が掛かってくるの。 ヘルパーの設定とか、予約とか、、、。
メモだけ取っといて後は公子さんたちに放り投げてやるの。
しかしまあ、音が無いっていうのは眠くなるわねえ。 と思ったら玄関で、、、。
バン! 「何か音がしたぞ。」
慌てて出てみると、同行援助から帰ってきた木村君がヘッドライトを割っちゃったらしい。 よりによってヘッドライトかよ、、、。
「いやあ、ブロックに気付かなかったんですよ。」 先月も割ったやないかい。
あんたねえ、運転下手すぎ。 去年もランプを何個割ったのよ?
「所長にも報告しなきゃねえ。」 「また怒られるか。」
「これで何回目?」 「分かりません。」
「辞めたほうがいいよ。 この仕事に合ってないんじゃないの?」 「そうかも。」
認めるなよ バカ! 私の立場が無くなるでしょうが!
ぶつくさ言ってたら公子さんが帰ってきました。 「あらあら、またライト割ったのね?」
事も無げに公子さんは辺りの掃除をして「所長に言っといてね。」って私に託を、、、。
えーい、ちきしょうめ! 私が何で後始末をしなきゃいけないのよ? 「だって、あなたが見てたんでしょう?」
「見てません。 聞いただけです。」 「つべこべ言わずにやっといてね。 忙しいんだから。」
(ここの責任者はあんたでしょうがよ。) 「はいはい、、、そうですね。」
公子さんが出て行った後、澄江さんたちが入れ違いに帰ってきました。 「あらあら、留守番ありがとね。」
「いえいえ、こちらも暇でしたから。」 「さてと、、、武井さん 昼からは外勤よね?」
「そうです。 3軒ほど回ってきます。」 「頑張ってね。 公子さんはほっといてもいいから。」
「ありがとうございます。 (助かるわ。)」 んでもって3人で昼食を、、、。
と思ったらスマホが鳴りました。 嫌な予感しかしないんだけどなあ。
番号を見ると案の定、旦那様から、、、。 気を取り直して出てみますと、、、。
「こないだ、話してた会社はダメだった。」とのこと。 ざま見ろや。
だからあんたは何処に行っても使い物にならないのよ。 ちっとは自覚しなさいや。
「そうなの? 残念だったわね。 いい所が在ればいいのにねえ。 取り敢えず優しく言っておきます。
そうじゃないと帰ってからが怖いからねえ、あの狸。 「ご主人 仕事探してるの?」
「そうなんでしょ。 いつもああやって断られてばかりなの。」 「大変ねえ。 50も過ぎたら簡単には雇わないからねえ。」
「技術でも有ればいいんですけど、、、。」 「何か出来ないの?」
「うーーーーん、女に弄ばれるだけ。」 「何だそりゃ?」
おかげで澄江さんたちにまで笑われてしまったわよ。 あのバカ!
さてさて、仕事が終わって帰ってきたのは5時半です。 急いで夕食を、、、。
「おー、帰ってきたのか?」 「悪かった?」
「別に、、、。」 不意に台所に入ってきた旦那様、、、。
何をするのかと思ったら、、、。 私のお尻を撫でております。
「嫌ねえ。 やりたくなるじゃないの。」 「じゃあさあ、今からやろうぜ。」
「アホか。 息子たちが帰ってくるでしょうが。」 「いいじゃないか。」
そう言ったかと思うと旦那様は私の腕を捕まえて寝室へ、、、。
「料理、途中なんだけど。」 「後からやればいいだろう?」
そんな問題じゃないっつうの。 ああ、ああ、ああ、ああ、。
ってなわけで今日も冴えない旦那様とイチャイチャ、、、。 ってかさあ、暇だからって肩を揉ませるなよ 疲れてるんだから。
そんなこんなでやっと解放してもらった私は慌てて夕食を作り直しております。 (ったくもう、私のことはこれっぽっちも考えてないんだからね あの人は。)
「お前も好きなんだろう? だからくっ付いたんだ。」なんて言うけれど、泣いて頼みに来たのは誰よ?
「一生 幸せにするから結婚してくれ。」って土下座してたよね? もうお忘れですか?
私は忘れませんよ あんな一生の後悔を。
夕食が出来上がる頃、娘ちゃんが泣きながら帰ってきました。 「どうしたの?」
「仲良しだった竜子ちゃんと喧嘩しちゃったあ。」 「そうそう。 何より大変ねえ。」
「お母さんには分からないのよ。 バカ!」 そう言って娘ちゃんは自分の部屋へ、、、。
バカもくそもあるかいな。 まだ話は聞いてないんですけど、、、。
そこへ息子君が帰ってきました。 「バイトは?」
「今日はねえ、休みなの。 たまにはいいかって。」 「たまには、、、ね。」
「何か有ったの?」 「百合子がさあ、友達と喧嘩したって泣いてるのよ。」
「あいつが? 喧嘩ねえ、、、。」 「仲良しだったんだって。」
「もしかして竜子?」 「知ってるの?」
「あいつの兄さんと友達なんだよ。 竜子にはほとほと困ってるって聞いてたっけ。」 「そんなに?」
「なんでもさ、援交やってるって噂だよ。」 「その子が?」
「何人か誘ってやってるんだって兄さんからも聞いたよ。」 「じゃあ、それに誘われたのかな?」
「百合子なら心配ないよ。 彼氏も居るからさ。」 「うっそだあ。 あいつに彼氏?」
「母さん、そんなでかい声を出さないでよ。 上に居るんでしょう?」 「聞いてたわよ。」
二人で話していると食堂のドアがスッと開きました。 「びっくりさせるなよ ボケ。」
「いいもん。 私なんていつでも家出してやるんだから。」 「何処に?」
「さあねえ。」 「ちょい待て。 行く所も無いんかい?」
「百合子に行く所が有ったら俺だって驚くよ。」 「そりゃそうだけどさあ、、、取り合えず夕食を、、、。」
我が家はなんでこんなに問題児が多いの? どいつもこいつも考えてないよなあ。
まあまあ、静かになったところで旦那様も腹を空かせたのか食堂に入ってきました。
んでまた今夜も4人揃って黙々と食べてます。 美味いともまずいとも言いません。
なんかさあ、この雰囲気すごーーーーーーく嫌なんだけど。
元はと言えば旦那様が社長と喧嘩するからなのよ まったく何を考えてるんだか、、、。
テレビはいつものように点けてあります。 静かすぎるのも怖いんでね。
夜なんてさあ、ミシミシギシギシ怖いんだからね、この家。
霊媒師でも呼んでこようかって思うくらいだわよ まったく。 誰がこんな襤褸屋に住もうなんて言ったのよ? あたしか、、、。
ほんとにねえ、階段なんて怖くて夜は上がれないわよ。 怪談じゃないんだから。
あーあ、すっきりしたいなあ。 何処かに王子さまは居ないのかしら?
「ここに居るけど、、、。」 あんたは息子の信二君でしょうが。
「いいじゃない。 息子でも。」 「良くないわよ。 あの狸が噴火するでしょうが。」
「その時はその時だよ。 ねえ、母さん。」 居間でのんびりしていた私に息子君が絡んできたのです。
若いからまあいいか。 ってそんな問題じゃないっつうの。
親子恋愛なんて映画じゃないんだからさあ。 でも逃げられないのよね。
何回もこうやって絡んでるんだから。



