そして。
翌朝。



「はるかー、そろそろ行くぞ?」
「は~い」



はるかが鷹大のマンションに行く準備をしていると……。





「おや、はるかまだいたのかい!?」



義母が声をかけてきた。
嫌味全開で。



「いましたけど、何か?」
「目障りだからさっさと、出ていきな!!」
「はるか、相手に……」
「大丈夫だよ。鷹兄」



はるかは鷹大に微笑みながら言った。



「はるか?」
「だって、この女は可哀想な人なんだから」
「なっ!?」
「だって、父様は今でも母様を愛している。それなのに、この女は父様に全く相手にされない可哀想な人だから。父様は私たちにはまだ母親が必要だったから、この女と結婚した。そして、私たちにはもう母親は必要ない」
「だな。まぁ、親父が離婚を申し出るのも時間の問題だろう……」




悔しそうにする彼女。
そして、はるかにこう言う。





「はるか!アンタ達の母親はあの人の不倫相手じゃなかったかい?」
「確かに私たちのママは父様と不倫してた!けど!!父様はママも愛してた!!誰かさんみたいに愛されてないなんて事なかった」





そう、はるかと双子の兄陽明は唯月家の兄弟たちとは血の繋がりが半分しかないのだ。
はるかは陽明に向き直る。




「じゃあ~あき?私行くね。朝きちんと起きなさいよ?」
「大丈夫だ。俺がモーニングコールするから!」
「由兄…!!馬鹿にすんなよ!!俺だって1人で起きれる!!」
「今までだってやっと起きてるだろう?」
「大丈夫つったら大丈夫なんだよ!!」
「くすっ。うん。わかったから、あきムキにならないの」
「はるか、そろそろ行くぞ?」
「うん。じゃあ私もう行くね?」



そう言いながら鷹大の車に乗る。