ゆなは、大学女子寮に入寮した。古い寮だ。ゆなは小太り。独特の体系だ。
 荷物を持って玄関に入る。青春の香りがした。管理人室へ行く。
 とんとんと、ゆなはノックした。「はい」と声がした。小麦色の肌をした、お姉さんが現れた。お姉さんは30代くらいでスレンダーできれいだった。フリースを着ていた。大人の香りがした。
 「あの今日入寮する塩田ゆなと申します」
 「ああ。塩田さんね」
 つやっぽい声をしていた。
 ゆなはお姉さんに部屋へ案内されることとなった。
 部屋へ行く。部屋にはすでに女の子がいた。小麦色の肌をした女の子だった。背は自分より高くスレンダーだった。部屋は青春の香りで満ちている。
 「あ」と、ゆな。
 「こんにちは」
 と、女の子。元気な感じだった。ちょっとギャルっぽかった。青春の香りがした。
 「私、鳥羽ここな」
 と、女の子が言った。
 「私、塩田ゆな」
 と、ゆな。
 「よろしく」
 と、ここなが手を差し出した。
 ゆなは笑みを浮かべた。
 「よろしく」
 と言って、ここなと握手した。とてもなめらかな肌触りだった。
 「ねえ、近くにビーチあるって、知ってる?」
 と、ここな。
 「ほんと」
 と、ゆな。
 「うん。マリンビーチっていうのよ」
 と、ここな。
 「へー」
 と、ゆな。
 「今度、行ってみない」
 と、ここな。
 「うん」
 と、ゆな。
 「ねえ、今日、パーティーしない?」
 と、ここな。
 「パーティー?」
 「ジュースと、ピザと、お菓子で、入寮祝いしない?」
 と、ここな。
 「うん」
 と、ゆな。
 二人は入寮が完了してから、買い物に行った。
 部屋に戻って、パーティーの準備をした。小さい丸テーブルの上にピザやお菓子の入った容器を置いた。コップにジュースを入れた。
 「かんぱあい」と二人言って、コップをかちんとやった。
 ゆなは、ジュースをごくごく飲んだ。
 「はあ」と二人して息をついた。
 ここなはピザを取った。ゆなはそれをみつめた。ここなは、ピザをはんだ。鳥羽さん、かわいい、とゆなは思った。ゆなもピザをとった。ゆなはピザを食べた。おいしかった。