それを知りたいのに。
 10年後に親友になるはずの魔女は、それ以上は続けて言おうとしなかった。


「貴女があたしをここに置いてくれるなら、話すわ。
 親友相手に取引なんてしたくないけど、仕方ないじゃない?」

「……わかった。
 だけど、落ち着いたら出ていって。
 元居た10年後に戻ってね、そこで私と仲良くして」

「今の貴女とも、仲良くさせて?
 手始めにお腹が空いたわ。
 朝食後に続きを話すわね」


 パピーに食べさせようと、ポリッジを作るつもりで材料を買ってきた、と話すと。
 あからさまに嫌そうな顔をされてしまった。
 そして朝食は自分が作ると魔女は言った。
 私達が自炊をする時は、いつも彼女が手料理を振る舞ってくれていたらしい。


 本人が言う通り、料理をし慣れているのか、あるものを確認して、手早くオムレツとポリッジを作ってくれた。
 どちらもすごく美味しくて、ポリッジも、私が作るより余程……
 あの嫌そうな顔は私の料理の腕を知っているからなのね。