出来たら、質問は一問一答でお願いします、と言う代わりに口から出た言葉は……
 モニカがシドニーに、私について断じた言葉。


「邪魔者、って今は一番嫌いな言葉なので、絶対に使わないでください。
 どうしてほっておけないのか、自分でも分からないんです」


 本当にどうしてパピーをほっておけないのか、自分でも分からなかった。
 獰猛な肉食動物の仔が、小さな身体にうるうると濡れた大きな瞳を持つのは、生き抜けるように庇護欲を掻き立てるため、と本当か嘘か不明だけれど聞いたことがある。
 泣き顔で私に手を伸ばしてくる小さなパピーを守りたいと思ったのは庇護欲なの?

 幼い子供だから、守ってあげたい?
 もしかしたら、これが母性本能と言うもの?
 自分にそんなものがあるとは、想像もしていなかったけれど。


 あの、金色の瞳を初めて見た時に、身体に何かが走った気がした。
 あれはパピーから離れられない魔法にでもかけられたのだろうか?
 小説に良く出てくる魅了魔法にでもかけられた?