「あの時、気が付いたら後ろにモニカが立っていたんですが、彼女最初から聞いていて、というより、あそこに呼び出したのモニカの指示かな。
 キャンベル呼びして、ひとりで帰れ、とか。
 それであんな……如何にもモニカの言い分を信じているような……
 でも、あれじゃ喧嘩を売られていると思っても仕方ないですよ?
 そもそも、事前にどうして私に相談してくれなかったんでしょう」

「待て、待て!
 いきなりベラベラ喋るな!
 君はどちらかと言えば無口なタイプだろ!
 あの女と婚約するなんて、 絶対にあり得ない!
 3年後? 言ってることが全然理解出来ない!」

「クララちゃんが起きるから静かにして」

 そう言うと、興奮しかけたサイモンも黙った。


「私は今は貴方の後輩で、16歳ですが。
 本当は19歳なんです。
 3年後から、魔法にかけられて時戻しをしました。
 私がこれから起こる未来を話します。
 私を嘘つきだと罵るのも、俺を馬鹿にするなと怒鳴るのも、全部話し終えてからにしてください。
 元サイモン・デイビス・サマセット先輩」