やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

 母もメイド達も皆嬉しそうだ。
 私も友人を招いたことがないので、この家に若い女の子が集まることなんて無かった。

 モニカから料理は出さなくてもいい、と言われたけれど。
 ピンクの小さな薔薇を散らした真っ白な新品のリネン類で揃え、あちこちにお花を飾ったり、良い香りのお茶を出したり、用意するのが楽しかったらしい。
 そんなにご令嬢方をお迎えするのが楽しみだったのなら、私も数少ない友人にお声がけして集めても良かったな。


 ……だけど、私にはそんな時間はなかった。
 土曜日は帝国語、日曜日は経済や法律や……
 離れていても、ムーアの教育からは逃れられなかった。



「お昼はまだでしょう?」

 尋ねられて、朝食用に買って手付かずだったパンを見せた。
 じゃあこれだけでも、と母がスープを出してくれる。
 私が簡単な昼食を食べているキッチンのカウンターには、母が我が家のティータイム用に焼いたケーキが鎮座していた。


「お母様、これを私にくださる?
 モニカのランチ会は持ち寄りでしょ?
 ご挨拶に伺いたいのだけれど、手ぶらじゃ」


 またもや、自分で作ったわけでもないのに、それで敵国に突撃しようとする私である。