お酒を提供しない飲食店やカフェは朝食を食べさせる店が多く、早朝開店して18時前には閉店していた。
 そんな中、シーズンズは11時開店22時閉店で学校や仕事帰りに寄ってもゆっくり出来ると、食事やお酒を出さなくても人気があった。
 イートインは予約がなければ無理だったし、21時までのテイクアウトは行列が名物扱いされる程だった。

 それで、私とシーズンズの関係を学院内で明かすのは、面倒の元としか思えなくて秘密にしていた。
 前回はメリッサにだけ、半年以上経ってから告白したけれど、彼女の性格も口の堅さも既に知っているから打ち明けるのは、もっと早くてもいいかな。



 放課後、寮に戻り私服に着替えて、寮母さんに祖父の邸に行く旨と夕食不要の届けを提出した。
 そして学院前のバス停から2階建てオムニバスに乗り込んだ。

 上級生と思われる何人かは一緒に乗り込んだが、幸い街へ繰り出すと言ってたクラスメート達とは時間がずれていたようで、ホッとした。



 屋根無しの2階部分に乗って、午後の風に吹かれて振動に揺られながら、私はオルとの会話を思い出していた。


 それは時戻しの魔法に掛けられる前に、確認したことだった。


『私が3年後に時戻しの魔法に掛けられて、16歳からやり直しになったこと』

 それを誰かに打ち明けてもいいのか、という……