「みっともなくないし、嫌になんかなってない。
 ずっとひとりで辛い思いをさせてごめんなさい。
 貴方に内緒でモニカに会いに行ったりして……
 そんな力量もないくせに、自分ひとりで解決出来る、と過信したのね。
 でも、もう知ったから、忘れないよ。
 8年後に私はモニカに会いたいとどんなに言われても、ふたりで会ったりしない。
 今、それを知ったことで回避にはならないの?」


 私はオルが同意してくれると思っていた。


「それは会って、毒を飲まないことを回避しただけだ。
 君とハイパーとモニカとの悪縁が続いていることは同じだ。
 さっきのあいつの態度を見ただけでも、君に対する執着が分かった。
 それを8年もあいつは持ち続けていたんだ。
 ディナがパーティーに参加しなくても、どこかでハイパーと再会する。
 モニカもいつ、どこで、どんな手を使うかわからない。
 今度は自殺ではなくて、明確な殺意を持って君を襲うかもしれない。
 次はナイフか酸か、人を雇うか。
 今のように眠り続ける代わりに、君は身体に一生残る傷を受けてしまうかも。
 根本的に、ふたりを君から切り離さないと解決しない、と思うんだけど」

「思うんだけど?
 どうしたの、急に断定した話し方じゃなくなったね?」