いつもは自分の傘も持っていたのだが、ついつい忘れてしまった。 外は雨。手元には彼女の傘一本。駐車場まで少し遠い。 すると背後から声が掛かった。 「薫君、使わないなら貸してくれないかな」 彼女だった。振り返ると笑顔が待っていた。 「どうせだから車で送りますよ」 今度は二人、並んで外へと出て行った━……。