煩悩過多なイケメンは私に一目惚れしたようです【マンガシナリオ】

○真尋の部屋。

千華「御厨くん、入るね」

 千華が部屋に入ると、真尋は上半身を起こした。

千華「お粥食べれそう?」
真尋「はい、如月さんが作ったものなら吐きながらでも全部食べます」
千華「無理しなくていいから。食べれるだけ、ね?」
真尋「ふふっ、はい」

 千華は先に冷却シートを真尋のおでこにはる。そしてマスクを少しずらして、お粥をスプーンですくい、ふーふーと冷ました。

千華「はい、あーん」
真尋「……!」

 まさか「あーん」をしてもらえるとは思っていなかったため、驚いて固まる真尋。
 固まった真尋を見て、千華も自分が何をしたか気づく。

千華「ご、ごめんっ、自分で食べる?」
真尋「いえそのままでお願いします。是非」

 食い気味で言う真尋。
 千華はゆっくりと、真尋の口元へスプーンを差し出す。口をあけた真尋の赤い舌がチロリと見え、千華は顔を赤くする。

真尋「……美味しいです」
千華「味わかる?」
真尋「味覚と嗅覚だけでなく全身で味わっているので、体が喜んでいるのがわかるんです」
千華「つまり、味はわからないと」
真尋「意地悪なこと言わないでください、如月さん」
千華「ふふっ、ごめんごめん」

 真尋は結局、全てのお粥を食べて最後に薬を飲む
 再び横になった真尋。
 千華は真尋の首筋に目をやり、汗をかいていることに気づく。

千華「御厨くん、体を拭くタオルを持ってこようか?」
真尋「……そうですね。お願いできま──」

友梨「お兄ちゃん達、二人でお風呂入れば?」

千華「!?」
真尋「!」

 千華と真尋は、扉へと視線を向ける。
 すると、扉を少しあけてチラッと中を覗き見る友梨がいた。

千華「友梨ちゃん!?」
真尋「妹ながら、いい事を言うね友梨」
友梨「でしょ?」
千華(この兄妹はっ……!!)
千華「御厨くんは熱が出てるんだから、お風呂じゃなくて体を拭くだけ!」

 しゅんとする真尋。
 気にせず千華は「友梨ちゃん、タオルの場所教えてらっていい?」と言う。

友梨「いいよ!」