輪廻〜親愛ヴァンパイア〜




受けた仕打ちは躾なんて生易しいものではなくて。


そこに愛情など微塵もないことは火を見るよりも明らかだった。



一人は平気。


一人なんて慣れてる。


だって私には、誰かと寄り添うだけの価値もないから。


生きているから疎まれる。


遠に知っていた事実だ。



「産まなければ良かった」

「もっと優秀な子が欲しかった」


……なんて、聞き飽きた言葉。


幼い頃から日常会話の如くすれ違いざまに言われ続けた。



『だったらいっそ、誰かが殺してくれたら良かったのにね』


無感情に言って退けた私に向けられた、歪んだ母の顔を忘れない。


その後、頰が腫れ上がる程強く叩かれ、当の母親は泣き出し逃げたのをよく覚えている。



忘れたくとも忘れられず。


今尚、記憶に焼き付く非情の過去。



私はきっと、怖かった。


大丈夫なのだと、自分を抑制し蓋をした。


けれど私は一人になることを誰よりも恐れて、苦肉にも自身の首を絞め、気付かずにいた。