暁音はケラケラと笑って、
「こちょこちょ二時間耐久で許してあげるよ。」

「それはちょっと無理!!!」

なんて冗談を言ってくる暁音とは、昨年から部活つながりで仲良くなった。

「本当は嫉妬しちゃうけど〜...綾のLINEあげるよ」

「え?なんで?」
私がそう言うと、暁音はぎゅっと抱きしめてきた。

「あいつさ、女子苦手だから、優しい風音が仲良くしてあげてよ。」
そんなことを言う暁音が一番優しい。

「...分かった。連絡は程々にするから大丈夫だよ。」
「それでよーし!!」

二人で笑い合っていると、予鈴がなり始める。

席に急いで戻ると、男子とじゃれている綾くんがいた。

暁音はどうしてこの人が好きになったんだろ...?

確かに顔がいいって言うのは私でもわかる。

この数日後には、嫌でもその理由が分かることを私は全く想像していなかった。