それからどれくらい時間が経ったんだろう? 「ただいまーーーーー!」っていう郁子の声が聞こえた。
ドタドタト食堂に走り込んでくる。 そしておやつに買ってあったどら焼きを頬張る。
「美味しいねえ。 これ。」 「ふーん、そう。 トラが饅頭食ってるみたいな顔してるけど、、、。」
「兄ちゃん 訳の分かんないことを言わないの。」 「へえ、お前でも分からないことが有るんだな。」
「失礼ねえ。 兄ちゃんより頭いいから。」 「形だけだろう?」
「ひどーーーーいひどーーーーい。」 郁子はどら焼きを頬張りながら唸っているのでありまして、、、それを見ながらぼくは腹を抱えて笑ってます。
 「ひど過ぎるわよ。 お兄ちゃん。」 「お前だって言いたい放題言ってるじゃん。」
「私はいいの。 妹なんだから。」 「へえへえ、そうですねえ。 郁子様。」
「変な言い方。」 「どうでもいいけどお前、スカート汚れてるぞ。」
「何が? ワーーーーー、嫌だあ!」 またまた郁子の大騒ぎが始まった。
 ぼくは部屋に戻ってスマホを開いてみた。 メールが二つ。
一つは勉からのやつ、もう一つは彩葉からのやつだ。
 ささっと読み下して返信するとぼくは床に転がった。 まだまだ4月なんだよね。

 卒業式の日、彩葉はどっか寂しそうにしていた。 通信制を選んだ後だったからかな?
「健太君 また遊びに来てね。」 そう言って寂しそうに手を振った。
 ぼくもつかさもいつも通りに「元気でね!」とは言ったんだけど、やっぱりどっか寂しかった。
そのままに最後の春休みを過ごしてこうして高校生になった。 つかさたちとは同じクラスになったけどやっぱりどっか寂しいんだよな。
 入学式の日も居ない彩葉を探してしまった。 あれだけ明るく振舞っているつかさだってどっか寂しそうだった。
そんな中で授業が始まってぼくらもやっと落ち着いてきたらしい。 これからなんだよね?
馬宮たちは相変わらずドタバタやってるけどさ、、、。