時間は4時。
脱走じゃないよ
脱走じゃない。
寝るための散歩だから。
少し外の空気吸わないと寝られない。
今度こそ海斗が起きないように
そーっとベッドを降りた。
忍足で部屋を出ようとした瞬間...
「だからさっきからどこいこうとしてる?」
後ろから海斗の声がした。
また起きてた。
「...」
「すず。」
「寝れないの。
ちょっと散歩に行かせてほしい」
海斗が自分の時計で時間を確認した。
「4時じゃん。ダメに決まってるでしょ」
「おねがい。寝れない」
「ダメ」
「...」
「じゃあ眠剤飲め」
「...」
ちょっと声のトーンが下がった。
たがら嫌だって。
「眠剤飲むならちょっと外に連れ出してやる」
「え?」
「外の空気吸いたいんだろ?
眠剤飲むなら一緒に散歩してやる。」
いつもそう、究極の選択を迫ってくる。
眠剤と気分転換の散歩。
「...わかった飲む」
このまま寝れないのも気持ちがしんどいから飲むことにした
「そんな強い眠剤じゃない。
オペの前の日の患者さんはみんな飲む薬だ。飲んだからって何もないから安心しろ」
海斗に渡された薬を飲んだ。
「飲めたじゃん。賢い!
散歩は体力削られるからドライブにしよう。いい?」
「...うん」
病院の地下に停まってる海斗のスポーツカーの助手席に乗った。
私の好きな曲を流してくれて
病院の近くをドライブした。
20分くらいお話ししながらドライブしていたら急に眠気がきた。



