私の担当医。~2~


海斗がうどんを買って戻ってきた。

「ちょっとでいいから食べな」

わたしの前にうどんを置いた
久しぶりのあったかいうどんが
すごく美味しそうに見えた

「...いただきます」

全部は食べれなかったけど
とっても美味しかった。

「もういらない」

「わかった、あとは俺が食う
いただきます」

わたしの残りを海斗が食べ始めた。

「うまっ。
あっすず、次あんなことしたらマジ許さない」

急に私の顔をみて
目を細めて言ってきた。

「...」

不意に言われて反応できなかった

「どんだけの人に迷惑と心配かけてると思ってる。
真由だって翔太だってここ数日ほとんど家に帰ってない。
俺を避けて俺を困らせるにはまだいい。けど他人を巻き込むな。」

「...」

何も言えなかった
真由さんたちにも迷惑かけてたんだ...

自分に精一杯で
気にかけることができなかった。


「逃げるな。
逃げるなら堂々と反抗してこい
向き合ってやる。」

「よくいうよ」

「え?」

「...わたしを他の医者に任せようとしたでしょ」

それがショックだった
あの言葉がなければわたしは案外早く海斗に会いたくて部屋から出ていたと思う


「それは本当にごめん。
俺も言ったあと後悔しかなかった。
後悔で眠れなかった。
もう一生そんなこと考えないから。
ごめん」

クマ作って弱々しい

「...透析はしない。
でも許す」

こんな弱々しい海斗は初めてで
動揺して許すことにした。

「...はい」

海斗の仕事部屋の鍵を渡した。