17:00
「すず
点滴かえにきた。」
えっいつも真由さんか翔太くんなのに
海斗の声がした。
「すず。あけて」
「真由さんは?」
「急患で手が離せないらしい。
俺しか今手が空いてない。」
「...」
トイレも真由さんがくると思って
すごく我慢していた。
開けたくないけど
開けるしかないかも
極限状態だった。
...ガチャ
扉を開けた。
4日ぶりにみた海斗の顔。
目の下のクマがすごかった。
初めて見るくらい顔から疲れが出ていた
「...トイレ行ってくる」
「お、おう。
あっ、これ。」
何も言わずに紙コップを渡してきた。
検尿を出せという無言の圧力
まぁそうだよね。
4日も放置じゃ気になるよね
何も言わずコップを受け取ってトイレに行った。
ちゃんと検尿を提出して
部屋に戻ろうとしたら
部屋の前で海斗が手を出して待っていた。
「なに?」
「鍵」
「え?」
「俺の部屋の鍵かえせ」
鍵を返せば立てこもりはできなくなる
「嫌だ」
「俺の鍵だ。返せ」
「だから嫌だって」
部屋に戻ろうとしたけど
腕を掴まれた
「じゃあ部屋の鍵閉めるの禁止する
すずが心配で夜も眠れねぇ。」
やっぱり寝てないんだ。
...ごめん
「飯食いに行くぞ」
腕を引っ張られて無理矢理、病院の食堂に連れてこられた。
きっと低血糖ななりかけてることわかってる
「何食べる?」
「あまりお腹空いてない」
「じゃうどんを俺と半分しよう。」



