私の担当医。~2~


部屋を出た瞬間、ため息がでた。

「はぁ。」

「緊張したか?」

「するでしよ。
先に言ってよ、こんな格好で...」

「いいの、どんなすずでも俺の自慢だよ」

そんなことないよ。


「さて、あとは役所に婚姻届を出すだけだな。それは透析初めてからな。」

「...なんで?」

「一緒に出しにいくだろ?」

「...」

海斗が黙ってる私の顔を覗き込んで
真剣な顔になった

「すずにもけじめが必要だ。
明日から透析に踏み込む。
俺と本気で病気と向き合え」

向き合えって
精一杯、向き合ってるつもりなんだけど。
ただ...

「...透析は怖い」

「俺は決めてる、明日から始める。すずがなんと言おうとすずに必要な治療だから進めます。」

「...」

真剣な海斗の眼差しに
言い返すことができなかった

「透析室の案内したいし透析室の担当看護師も紹介したい。今から行こう」

「真由さんと翔太くんじゃないの?」

「また透析室は別なんだ」

「じゃもっと嫌。行かない」

私は医者も看護師も信用していない。

海斗が特別いけたってだけ。
真由さんと翔太くんですら
話すことに抵抗しかなかった。


やりたくない透析を
知らない看護師と一緒にするなんて考えられない。

「俺も少しは様子見にいく。
でもずっとはそばにいてやれないんだ。」

「じゃ海斗の部屋でやればいいじゃん」


海斗の部屋なら私の好きなことできるし
周りの目が気にならない。

よく点滴したまま放置されてるし。
慣れてる