部屋を出た瞬間、ため息がでた。
「はぁ。」
「緊張したか?」
「するでしよ。
先に言ってよ、こんな格好で...」
「いいの、どんなすずでも俺の自慢だよ」
そんなことないよ。
「さて、あとは役所に婚姻届を出すだけだな。それは透析初めてからな。」
「...なんで?」
「一緒に出しにいくだろ?」
「...」
海斗が黙ってる私の顔を覗き込んで
真剣な顔になった
「すずにもけじめが必要だ。
明日から透析に踏み込む。
俺と本気で病気と向き合え」
向き合えって
精一杯、向き合ってるつもりなんだけど。
ただ...
「...透析は怖い」
「俺は決めてる、明日から始める。すずがなんと言おうとすずに必要な治療だから進めます。」
「...」
真剣な海斗の眼差しに
言い返すことができなかった
「透析室の案内したいし透析室の担当看護師も紹介したい。今から行こう」
「真由さんと翔太くんじゃないの?」
「また透析室は別なんだ」
「じゃもっと嫌。行かない」
私は医者も看護師も信用していない。
海斗が特別いけたってだけ。
真由さんと翔太くんですら
話すことに抵抗しかなかった。
やりたくない透析を
知らない看護師と一緒にするなんて考えられない。
「俺も少しは様子見にいく。
でもずっとはそばにいてやれないんだ。」
「じゃ海斗の部屋でやればいいじゃん」
海斗の部屋なら私の好きなことできるし
周りの目が気にならない。
よく点滴したまま放置されてるし。
慣れてる



