私の担当医。~2~


海斗と松本さんが前をスタスタ歩いていく

怒っているのか速い。
ついていくのが大変

菊池さんは私に合わせてゆっくり歩いてくれている

菊「いつもあんな怒るの?」

「病気のことに関しては...怒られます。
逃げたり隠れたり嫌がったりすると...いつも怒られる」

菊「そんだけすずちゃんのこと大事に思ってるだな」

そうだとしても
怒ると怖いし喋ってくれないし。

もう少し優しくしてほしい

5分歩いたくらいで大きい大学病院に着いた。

大きい...
海斗の病院と同じくらい大きい

怖い
足が震えて進めない。

入り口の前で立ち止まってしまった。


「早くこいよ。
これ以上俺を怒らせるな」

「...入れない」

「大丈夫。いつもとやること何も変わらない」

「嫌だ」

誰に何されるのがわからない。
いつもの場所じゃない
吐き気が酷くなってきた

「また約束まもらねぇのか。すず。
飯食べに出るための条件をのんだんじゃないの?」

「そうだけど...こんな大きい病院だと思わなかった」

「やることはなにも変わらないって。早くこい」

「...何するの」

「とりあえず血液検査して点滴いれる。
さっき発作も出てるし、SPO2測ってそれによっては酸素いれる。
とりあえず俺が今考えてるのはそれくらい」

確かにいつもしている治療。

「海斗が全部してくれる?」

「こいつらがいいか?」

...

「ははっ、早く入ろう」

海斗は笑って病院に入って行った。

松本さんも菊池さんも笑って海斗の後を追って
病院に入ってしまった。

置いていかないでよ
待って...