◯海斗サイド◯

トイレに行ったはずのすずから
すぐに電話がかかってきた

吸入器をホテルに忘れたから
貸してくれという内容だった。

忘れて持ち歩いてないなんて
ありえない上に
発作でてるの隠してトイレに行ったことも気に食わない

確かに俺はすずと行動する時は必ず持ち運んでる。
俺が持ってるのに本人が忘れるってどういうことだ。

「はぁ...」

ほんとため息が出る

松「どうしたん?」

菊「大きいため息だなぁ」

すずがトイレから戻ってきた。
顔色は元々悪いからわからなかったが
明らかに肩で息をしている

松「すずちゃん、大丈夫?」

「はい」

とりあえず俺の吸入器を渡して
近くにベンチがあってそこに座らせた。

「はい」

...シュ...シュ


「...ごめんなさい」

「マシになった?」

「うん」


「まず一つ目。なんで吸入器を持ち歩いてない」

「...ごめんなさい」

「忘れるなっていつも言ってる。いま俺がいなかったらどうする気?」

「...ごめんなさい」

「そして二つ目
なんで吸入するくらいしんどいのに言わない」

「...」

「おい」

菊「まぁ...まぁ...
とりあえずおまつの病院に向かおうよ
こんなところで話さずに...」


確かに病院の方が設備が揃っている
先、病院に向かうことを優先しよう


「行くぞ」