私の担当医。~2~


「すず、起きろ!すず」

耳元でうるさい。目を開けると海斗がいた

「おはよう」

「...」

「朝だよ10時半」

昨日、ドライブしてたら寝ちゃったのか。

途中から記憶がないや


「11時半にはオペ室に移動する。
前から言ってるけど1時半から2時間で終わる。
麻酔も効きにくいから少し多めにいれて
ちゃんと痛くないの確認してから始めるから。」

寝起きでなんのことかわからなかったが
少し経って理解した。

あっそうだ。

「...やりたくない」


「うん、知ってる。
でもすずが昨日、俺がいいって決めただろ。頑張れ。ずっとそばにいるから。今日やるぞ。」


「...」


やりたくない。
どうしてもやりたくない。
怖い。

できないよ


やっぱり逃げたい。
逃げるしかない


でも近くにずっと海斗がいて
逃げる隙がない。
あーもう本当に嫌すぎる


「嫌だ嫌だ嫌だ、やりたくない」


「ははっ、一瞬で終わるから。な?
すずならできる頑張れる。」


「できない」

「やるしかない」

「...」

「ちょっと早いけどオペ室いこう。手術前のドキドキは短い方がいいだろう。」

凄い勢いで私の腕を掴んで海斗の部屋を出た。


手を引いて抵抗するけど
海斗の力には敵わない。