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ふたりでやってきたのは昇降口だった。
まだ物資が残っているかどうか、念の為にかくにんすることになったのだ。


「でも、なんかおかしいよな」


1階へと階段を降りながら圭太が首をかしげている。


「おかしいって、なにが?」

「だって、まだ昼過ぎだぞ? 食料なんて、まだまだ残ってるはずだけどな」

「物資が届くのが早すぎるってこと?」

「俺はそう思う。何日も学校に監禁されていたわけじゃないし、感染者は食べられないんだから、そんなに簡単に食糧難になるとは思えないよな」


そう言われればそうかもしれない。


「自衛隊の人たちって昨日からこの街を警戒してたよね。だから、事前に用意されていたんじゃないかな?」


私達が学校に登校してきてからすぐに街は封鎖された。
昨日からその議論がかわされていたとしてもおかしくはない。


「その自衛隊の動きも早すぎると思うんだ」

「え?」


思わず足を止めて聞き返す。