「なにこれ。私達こんなの聞いてないよ!?」

「先生たちはもう知っているのかもしれないな。だからホームルームも始まらないんだ」


街が封鎖されるという自体に落ちいって、どうすればいいか会議が行われている可能性は高い。
できればこのまま帰宅してしまいたいけれど、学校のフラウンドにまで自衛隊員が入り込んできているから、動き回ることが簡単なことではなくなっているのかもしれなかった。

更に記事を読んでいったとき、私は悲鳴をあげてしまいそうになって手で口を覆い隠した。
そこには『感染者の体には赤い斑点模様が出現する』と、書かれていたのだ。
一瞬にしてユカリの腕に現れていた赤い斑点模様を思い出す。


「まさか、ユカリも……?」


その事実に体が小刻みに震え始める。
もしユカリが感染者だったとすれば、ユカリを迎えにきたのがガスマスクをつけた自衛隊員だったことも頷ける。


「感染後味覚がおかしくなり、通常の障子が取れなくなる」


圭太が早口に次の記事を読み上げた。
味覚がおかしくなる。

これもユカリに当てはまっていることだった。
ユカリは昨日保健室へ運ばれてから、なにも食べていないと言っていた。