私は自分の両手をジッと見つめた。
今の所体調に異常は見られない。
ユカリのように体に赤い斑点が出てきたりもしていない。

でも、それだけじゃ安心できなかった。
新種のウイルスの情報はなにもなく、潜伏期間だってわからないままだ。


「少し、調べて見たほうがいいかもしれない」

「うん、そうだね」


自分の身を守るためにも情報は必要だ。
私は座り込んで泣いている麻子にすぐに戻るからと声をかけ、圭太と一緒に教室を出たのだった。