「いや、感染者は的じゃない。俺たちの敵はウイルスそのものだ」


言い切る圭太に男子生徒は歯噛みするように顔をしかめる。


「綺麗事を言うな!」


包丁が突き出され、圭太が寸前のところで避ける。


「お前だっていつか感染する。そうすれば、相手の気持ちがわかるようになる」

「僕は無敵なんだ! 僕が感染するはずがない!」


叫び、やみくもに包丁を振り回す彼は隙だらけだった。
圭太は間合いをとり、バッドを振りかぶる。
そして向かってくる彼の頭部へ向けて思いっきり打ち下ろした。

ゴキンッと頭蓋骨が割れる音が聞こえてきて、ズルズルとその場に崩れ落ちていく。