「ユカリちゃん、もう帰っちゃったんですか?」

「えぇ。少し体調が良くなったから、今のうちに帰りますって。荷物は先生が放課後に届けに行くから大丈夫よ」


そう言って私の手からユカリのかばんを受け取った。


「ユカリはなんの症状だったんですか?」

「病院でちゃんと検査しないとわからないわ。だけどお腹が減ったって言ってたからきっと大丈夫よ」

体調が悪くても食欲があるのなら確かに大丈夫そうだ。
ホッとして麻子と微笑み合う。


「それじゃ、ユカリのかばんをお願いします」


そうして私達は保健室を出たのだった。