いいえ、変えてみせるわ。
もう酷いことはしないと誓ったもの。
これから変えていけばいいのよ。
「おい、命令を聞け!」
密かに決意していると、怒声が聞こえてきた。
その声がした方を見ると、怒りで顔を赤くしている太った貴族らしき男性とボロボロの服を着た青年がいた。
周りの人も私と同じように見ているけれど、助けようとはしない。
「何だ、その目は!奴隷如きがご主人様にそんな反抗的な目を向けていいと思っとるのか!?」
奴隷……
そういうことね。
この帝国の1番低い身分が奴隷だ。
奴隷はもののように扱われ、お金で奴隷を買う。
その奴隷に何を命じるかは分からないけど、貴族らしき男性は働かそうとしているみたいね。
きっと、私が思う以上に過酷な仕事をしなければならない。
奴隷を買う人にいい人なんていないでしょうし。



