「当たり前だけど、印象は良くないわよね」
泥棒扱いされたことも、よくあったもの。
その時のことを思い出して、苦々しい気分になった。
早く外に出ないとね。
こんなことを思い出してるだけで、時間がもったいないわ。
一旦私の部屋に行き、外に着ていくドレスを選んだ。
ドレスももう少し地味なものを買いましょう。
どれも派手すぎるわ。
ドレス以外は何も付けず、準備が出来ると家を出た。
謹慎中だったんだから、部屋にずっと籠もってたんでしょうけど、久しぶりって感じはしないわ。
まぁ、当然ね。
斬首される前も外に普通に出ていたもの。
「あの人、アイルデア公女様よね?」
「うわ、ほんと。目を合わさないようにしなければね」
「アイルデア公女様だ……」
「あの性格は嫌だけど、容姿は絶世の美女だよなぁ」
コソコソ聞こえてくる声。
きっと悪口だわ。
もうすでに印象が悪いのね、私は……
はぁとため息をついた。
結局、私の運命は変わらないのかしら……
弱気になったけれど、すぐに思い直した。



