「本当?! 有難う!! 色々説明したいところなんだけど、急いで戻らなきゃいけないんだ!! 僕はこれで失礼するよ! あ、ジギスヴァルト! 悪いけど馬車を借りるね!」

 余程急いでいたのだろう、ヘルムフリートさんは言うだけ言うと、マイグレックヒェンの鉢を抱えて温室から出ていってしまった。

「…………」

「…………」

 あっという間の出来事に、思わずポカーンとするけれど、私は残されて困惑しているであろうジルさんに問い掛ける。

「……あの、よければお茶を如何ですか?」

「いただこう」

 誘いに乗ってくれたジルさんにほっとしつつ、私は気を取り直してお茶の準備をするのだった。
 




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