「おや、ジギスヴァルト殿。『ブルーメ』の帰りですか」
「はい」
「相変わらずアンネリーエさんの花束は見事ですね。フロレンティーナ王女殿下もさぞお喜びでしょう」
ジギスヴァルトに話しかけた人物はこの国で大臣を務めている人物だ。
「フィリベルト殿もアンの店をご存知なのですね」
「ええ、知り合いに紹介されましてね。妻の誕生日に花束を依頼したのですが、それが素晴らしくてね。妻も随分喜んでいましたよ」
ジギスヴァルトと会話する人物。それは以前アンネリーエの店に来た、常連ロルフの知り合い──フィリベルトであった。
「確かに、アンの花束の出来には、俺も毎回驚かされています」
「ジギスヴァルト殿もすっかり常連ですね。私も近々花を買いに行くつもりです。……ああ、引き止めて申し訳ない。フロレンティーナ王女殿下が首を長くしてお待ちでしょう」
「はい、では俺はこれで」
フィリベルトと別れたジギスヴァルトが王女の部屋へ向かうと、扉の前を二人の衛兵が警護していた。
衛兵達はジギスヴァルトに気付くと礼を取り、中で控える侍女へ来客を告げる。
「ジギスヴァルト様、どうぞこちらへ」
「はい」
「相変わらずアンネリーエさんの花束は見事ですね。フロレンティーナ王女殿下もさぞお喜びでしょう」
ジギスヴァルトに話しかけた人物はこの国で大臣を務めている人物だ。
「フィリベルト殿もアンの店をご存知なのですね」
「ええ、知り合いに紹介されましてね。妻の誕生日に花束を依頼したのですが、それが素晴らしくてね。妻も随分喜んでいましたよ」
ジギスヴァルトと会話する人物。それは以前アンネリーエの店に来た、常連ロルフの知り合い──フィリベルトであった。
「確かに、アンの花束の出来には、俺も毎回驚かされています」
「ジギスヴァルト殿もすっかり常連ですね。私も近々花を買いに行くつもりです。……ああ、引き止めて申し訳ない。フロレンティーナ王女殿下が首を長くしてお待ちでしょう」
「はい、では俺はこれで」
フィリベルトと別れたジギスヴァルトが王女の部屋へ向かうと、扉の前を二人の衛兵が警護していた。
衛兵達はジギスヴァルトに気付くと礼を取り、中で控える侍女へ来客を告げる。
「ジギスヴァルト様、どうぞこちらへ」