常に魔物の脅威に脅かされているこの国は、騎士団や衛兵団、傭兵に冒険者の人たちに守られていると言っても過言ではないのだ。
 だから強さが求められる騎士団の団長なら、冒険者でいうところのSSSランク相当になるのではないだろうか。

(SSSランクなんて、世界中に5人いるかいないかよね。ここの騎士団長ってそんなに強いんだ)

 そんなに強い人がこの国を守ってくれるとは、なんて心強いのだろう。

 私が騎士団の人達に感謝するように、この国の人達も同じようにこの国を守る職業の人を尊敬している。

(でも騎士団員といっても、色んな人がいるんだよなぁ……)

 私は時々この店を訪れる騎士団員さんを思い出す。
 その人は18歳の私より幾つか年上で、お店に来たらいつも花束を注文してくれる。

 騎士団員といえば厳つい人のイメージだけど、その人は何というか……すごくチャラい。いつもニコニコ笑顔で人懐っこいと言えば聞こえは良いけれど。

 お客さんの話で思い出したからか、噂をすれば影がさしてしまったのか、閉店間際のこの店に、例のチャラい騎士団員さんが現れた。