赤い巣、リバース!/その15
ケイコ
私はさっきから荒子さんに視線を集中させているが、この人、未だに動揺など皆無だ
冷静にみんなの様子を伺ってる
観察…、というより掌握…
でも、メンバーのテンションは青天井の様相を呈してるし…
このままじゃ、脱退を宣言する者が出るかもしれない
荒子さん…
...
ついに、みんなの怒りの矛先が津波さんとドッグスに向けられた…
多美もヤバイって顔で、私に訴えかけるようだわ
でも、総長は依然、静観を崩していない
さて、どうするか…
と思ったところで、総長が発言したぞ!
...
「…よし。ざっと見たところ、反対者はいづみとのん子以外、発言したようだ。みんなの意見は一通り頭に入れたんで、残りを聞こう。のん子、頼む」
「…荒子、これはどう考えても、みんなだって納得できないよ。”彼女”が行ってきた行為を思い浮かべれば、誰もが怒り心頭になる。つい津波さんたちを責めたくなるって。せっかくみんなで南玉を立て直そうと誓いあってるんだからさ、本郷なんか、もう持ちださないで欲しい…。それが正直な気持ちよ。あなたを誘拐までして、アイツが何をしでかしたか…。犯罪じゃない、それって!」
あのフェアで沈着な高津さんも顔を紅潮させて、感情をあらわにしてるわ…
「のん子、ありがとう。よし、最後はいづみ、遠慮なく言ってくれていいぞ」
「ああ…、ならね。私もみんなと全く同じだって!あんなサイテーなクソ野郎、仮に戻って来たら、半殺しどころかこっちが罪に問われないんなら、ぶっ殺してやりたいって!もう血管切れるから、本郷なんかのこと考えたくねーよ!」
「そうよ!本郷が南玉に戻ったら、みんなで潰しちゃえばいいのよ!リンチよ!」
「その通り!」
なんか‥、ついに一線を超えたような…
いや、超えさせたってことかな
誰が…、誰を伴って…?
...
私は改めて荒子さんの表情を注視してみた
うん、若干変化したぞ
よし、多美にも信号送っとくか…
...
「…いづみ、血管切れる前に終えてくれて感謝する。これで、反対意見はひと通り吐き出してもらった訳だ。では次に、賛否を態度保留した本田に意見を聞こうと思うが…、本田は西咲学院で、私が麻衣の小指をボキった現場に唯一、立ち合った南玉の人間だよ。みんな、それを頭に入れて聞いてもらいたい。多美、くどいようだが、余分な配慮など無用だから!裸々の本郷に目の当たりにして、思い馳せたものは何だったのか…、自分とここにいる仲間全員にぶつけるんだ!」
多美からもか…
しかもあのモノの言いよう…
それは、師弟愛…
なら、その次は私だろう
ケイコ
私はさっきから荒子さんに視線を集中させているが、この人、未だに動揺など皆無だ
冷静にみんなの様子を伺ってる
観察…、というより掌握…
でも、メンバーのテンションは青天井の様相を呈してるし…
このままじゃ、脱退を宣言する者が出るかもしれない
荒子さん…
...
ついに、みんなの怒りの矛先が津波さんとドッグスに向けられた…
多美もヤバイって顔で、私に訴えかけるようだわ
でも、総長は依然、静観を崩していない
さて、どうするか…
と思ったところで、総長が発言したぞ!
...
「…よし。ざっと見たところ、反対者はいづみとのん子以外、発言したようだ。みんなの意見は一通り頭に入れたんで、残りを聞こう。のん子、頼む」
「…荒子、これはどう考えても、みんなだって納得できないよ。”彼女”が行ってきた行為を思い浮かべれば、誰もが怒り心頭になる。つい津波さんたちを責めたくなるって。せっかくみんなで南玉を立て直そうと誓いあってるんだからさ、本郷なんか、もう持ちださないで欲しい…。それが正直な気持ちよ。あなたを誘拐までして、アイツが何をしでかしたか…。犯罪じゃない、それって!」
あのフェアで沈着な高津さんも顔を紅潮させて、感情をあらわにしてるわ…
「のん子、ありがとう。よし、最後はいづみ、遠慮なく言ってくれていいぞ」
「ああ…、ならね。私もみんなと全く同じだって!あんなサイテーなクソ野郎、仮に戻って来たら、半殺しどころかこっちが罪に問われないんなら、ぶっ殺してやりたいって!もう血管切れるから、本郷なんかのこと考えたくねーよ!」
「そうよ!本郷が南玉に戻ったら、みんなで潰しちゃえばいいのよ!リンチよ!」
「その通り!」
なんか‥、ついに一線を超えたような…
いや、超えさせたってことかな
誰が…、誰を伴って…?
...
私は改めて荒子さんの表情を注視してみた
うん、若干変化したぞ
よし、多美にも信号送っとくか…
...
「…いづみ、血管切れる前に終えてくれて感謝する。これで、反対意見はひと通り吐き出してもらった訳だ。では次に、賛否を態度保留した本田に意見を聞こうと思うが…、本田は西咲学院で、私が麻衣の小指をボキった現場に唯一、立ち合った南玉の人間だよ。みんな、それを頭に入れて聞いてもらいたい。多美、くどいようだが、余分な配慮など無用だから!裸々の本郷に目の当たりにして、思い馳せたものは何だったのか…、自分とここにいる仲間全員にぶつけるんだ!」
多美からもか…
しかもあのモノの言いよう…
それは、師弟愛…
なら、その次は私だろう



