赤い巣、リバース!/その10
多美代
ふう…、相変わらず豪気な物言いだわ、コイツ…
でも、的を射てるんだよな、実際…
それぞれが気が付かないうちに飼いならしていた驕りによってもたらされた組織内の矛盾か…
これ言われたら、相川先輩じゃないけど返す言葉ないよ
さあ、津波の指摘を受けて、荒子総長はどう捉えるかだ
総長や恵川先輩がそれなりに発言したら、私もそれを受けての発信をしないとな…
...
「津波さん…、ようやくひざ下の痛みが治まってきたのに、今度は耳が痛くなってきた。アンタらにはとことん、往生させられるよ」
アハハハ…
おお、ここで一斉に爆笑となった
さすが、荒子総長だ!
一気に空気を然るべき場所にまで持って行ったよ
津波も大口開けて笑ってるし
いいわ、この大女…
...
「ここで、みんなにこの津波祥子と戦った鷹美の言葉を伝えるよ。…あの日、前日に迫田からパイプで肩を痛められた鷹美は戦闘不能に陥った。死ぬまで戦う気構えを失っていなかった鷹美さあ、その時、自分に立ちふさがる相手が津波祥子以外だったら、肩は一生使い物にならない状態にされていただろうとね。だが、津波はそれをしなかった。そこの…、ええと、新村だったっけ?キミもその襲撃の場にはいたんだったね?」
「はい、いました…」
なんと荒子さん、矢吹先輩の”言葉”を持ち出し、それを津波じゃなく、”あの場”で湯本さんを数人がかりで襲ってた新村に振ったわ…
「津波以外のキミらドッグスメンバーは、その時確か、あっこと戦ったんだってね…」
「はい…。でも、私達は湯本さん一人に4人がかりで…。すいませんでした!」
こりゃ驚いた…
新村はその場に勢いよく立ち上がると、荒子さん向かって頭を下げたわ…
...
「新村、アンタにはあっこからの言葉を告げよう。あっこはさあ、自分はアンタ達全員、一人一人を順番に潰す覚悟で、エグイ攻撃を仕掛けたそうだ。だが、そっちはターゲットにした”仲間”の援護だけで、潰しにかかってこなかった。同じく迫田に前日、負傷を受けたあっこは、その時の状態なら中学生4人でも半殺しにされていただろうって。そう言っていたよ…」
「うっ、うっ…」
「新村…、アンタは、本郷が金属バットで私の足を折るその場にも立ち会ってたな。アンタ、本郷にバット握らされ、私の脚を折るように命じられてた。でも、できなかった…。バット握る手がブルブル震えてるのが、こっちにはっきり見えてたぞ。ハハハ…、助かったよ。あんな”状態”の人間に打たれなくて。中途半端にやられてたら、ああいう場はかえって重傷負ってたかもだしな」
「わー、すいませんでした…!総長、私…!」
「静美…」
もう新村は錯乱状態で床に崩れ落ち、泣き狂っていたわ
さすがに津波はその新村を抱きかかえるようにして、なだめてる
なんともなあ…
多美代
ふう…、相変わらず豪気な物言いだわ、コイツ…
でも、的を射てるんだよな、実際…
それぞれが気が付かないうちに飼いならしていた驕りによってもたらされた組織内の矛盾か…
これ言われたら、相川先輩じゃないけど返す言葉ないよ
さあ、津波の指摘を受けて、荒子総長はどう捉えるかだ
総長や恵川先輩がそれなりに発言したら、私もそれを受けての発信をしないとな…
...
「津波さん…、ようやくひざ下の痛みが治まってきたのに、今度は耳が痛くなってきた。アンタらにはとことん、往生させられるよ」
アハハハ…
おお、ここで一斉に爆笑となった
さすが、荒子総長だ!
一気に空気を然るべき場所にまで持って行ったよ
津波も大口開けて笑ってるし
いいわ、この大女…
...
「ここで、みんなにこの津波祥子と戦った鷹美の言葉を伝えるよ。…あの日、前日に迫田からパイプで肩を痛められた鷹美は戦闘不能に陥った。死ぬまで戦う気構えを失っていなかった鷹美さあ、その時、自分に立ちふさがる相手が津波祥子以外だったら、肩は一生使い物にならない状態にされていただろうとね。だが、津波はそれをしなかった。そこの…、ええと、新村だったっけ?キミもその襲撃の場にはいたんだったね?」
「はい、いました…」
なんと荒子さん、矢吹先輩の”言葉”を持ち出し、それを津波じゃなく、”あの場”で湯本さんを数人がかりで襲ってた新村に振ったわ…
「津波以外のキミらドッグスメンバーは、その時確か、あっこと戦ったんだってね…」
「はい…。でも、私達は湯本さん一人に4人がかりで…。すいませんでした!」
こりゃ驚いた…
新村はその場に勢いよく立ち上がると、荒子さん向かって頭を下げたわ…
...
「新村、アンタにはあっこからの言葉を告げよう。あっこはさあ、自分はアンタ達全員、一人一人を順番に潰す覚悟で、エグイ攻撃を仕掛けたそうだ。だが、そっちはターゲットにした”仲間”の援護だけで、潰しにかかってこなかった。同じく迫田に前日、負傷を受けたあっこは、その時の状態なら中学生4人でも半殺しにされていただろうって。そう言っていたよ…」
「うっ、うっ…」
「新村…、アンタは、本郷が金属バットで私の足を折るその場にも立ち会ってたな。アンタ、本郷にバット握らされ、私の脚を折るように命じられてた。でも、できなかった…。バット握る手がブルブル震えてるのが、こっちにはっきり見えてたぞ。ハハハ…、助かったよ。あんな”状態”の人間に打たれなくて。中途半端にやられてたら、ああいう場はかえって重傷負ってたかもだしな」
「わー、すいませんでした…!総長、私…!」
「静美…」
もう新村は錯乱状態で床に崩れ落ち、泣き狂っていたわ
さすがに津波はその新村を抱きかかえるようにして、なだめてる
なんともなあ…



