麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑧/発熱の果実たち、迷宮へ…!

ネオフレーム/その15
真樹子



麻衣さんはアイスレモンティーをストローですすりながら、ニヤニヤしてるわ

さあ、ビコーズよ、麻衣さん…

...


「ええとですね…。まず真樹子さんも今言ったように、今回私の復帰に賛成してるのは、たぶん総長の狂犬さんと新入りのカモシカ二人だけですよね?」

「ええ。あとは全員反対…、いや、断固、絶対反対だわね、おそらくは」

「そこでですよ。端的に”事実”を述べれば、今回の騒動で、直接私と戦ったのもこの二人のみってことです。言うまでもなく、この二人の勇気ある行動があって、壊滅寸前だった南玉は潰れずに済んだんです。つまり、本郷が戻りたがってるってことに対し、南玉を救った二人だけが、おお上等だ、どんと来やがれって英断してる…。真樹子さん、そういうことなんですよ、実体は」

ほー、なるほどねえ…

「で…、私のカンでは、まずドッグスを戻す決議を済ませ、その後に本郷を諮りますね。そこでは反対の意見が続出でしょう、当然‥。でも、民主的な会議の場ですから、まずは賛成意見を聞いて、黒原・波沢承認も告げられます。一通りね。そして、さあ、じゃあどうすっかと決を採れば、普通なら圧倒的反対多数で否決ですよ」

麻衣さん、そうならない理由を早く言って…


...


「ところがどっこい、賛成意見ってのは、今私の指摘したストップ・ザ・本郷の大立者からの発信ですよ。それ、メンバーへとダイレクトに届けば、うーん、確かに南玉を守った当事者に説かれれば、しかたないわねってとこくらいには行き着きます」

「うーん、そうなるのかな、結局は…。だけどさあ、あなたが描くアプローチを当事者の二人はうまく発信できるかしら?”そこ”って、自分自身から勇気ある行為を押し付けるニュアンスになりかねないんだし、なかなか難しい点もあるんじゃない?」

「その通り!えへへ…、その上で総長はともかく、あの横田はやってくれると思うんですわ。ああ、これは完全にカンです。キャハハハ…」

ふーっ…

私もそんな流れ、想像できなくはないけどね…

仮に麻衣さんが見立ててる通り、横田がそんな身のこなしを心得てて、結果的に”そこ”へ持っていけたとしたら、あの女、何モンよ!

まあ、そう言うことになる…