アイザックはソファに座っていたレイラの手首を無許可で握って引っ張り立たせた。 (どうして?異常って何ですの?まだ始まってませんのよ?) 手首を引っ張って行こうとするアイザックに、レイラはさすがに抵抗して踏み止まった。アイザックの薄茶色の目が普段通りに細くなり、爽やかな笑顔になる。 「俺はルーカス様に貴女の命を最優先にと命令されています。 そんな子猫みたいな抵抗ムダですよ? 身分も貴女の意思にも関係なく、護衛騎士の俺が帰ると判断したので帰ります」