無言のお茶会は彼にとって苦痛以外の何物でもなく、レイラは嫌われていた。



しかし、それでも律儀なルーカスは毎月のお茶会に来てくれた。



「レイラ……変わりはないか」



定型句を述べて、息苦しそうにソワソワしては、何も語らず目もあわせず、帰って行く。



公爵令嬢のレイラと、第二王子。



立派に釣り合いの取れた親が定めた婚約者だ。

義務として付き合ってくれているとレイラにはわかっていた。



ルーカスに愛はないと、知っていた。



でもそれでもどうしても、レイラはルーカスが好きだった。