またソファに座ってうっとりしていたレイラを、幸せの海に突き落とすルーカスがやって来た。


彼もラフな格好だ。こんな無防備な格好を見せ合うなんてレイラは恥ずかしくてたまらなかった。


(ル、ルーカス様の普段着ー!!か、可愛いらしいですわぁあ!こ、これは死ぬ前の神からの特大の贈り物ですのぉ?!)


レイラは興奮し過ぎて顔が真っ赤になっているのではないかと心配になった。だが大丈夫。表情筋は今日もゴミ箱の中だ。


(レイラの寝衣……息が止まりそうなほど愛らしい、息苦しい、俺もう死ぬかも。婚約破棄を言い出された男のくせに、こんなことを思うなんてとんだ破廉恥だ俺は、しかし、だがしかし!可愛い!)


眉をひそめたルーカスはすぐにレイラからスッと視線を逸らしてしまう。我が婚約者のまばゆさは喉を絞め殺す勢いなのだ。

ルーカスはこの部屋に入ってから、もうすでに何度殺されたかわからない。彼女の美貌に会うたびに殺されてきた。


「隣に座ってもいいか?」