ルーカスの緊張は続いていたが、レイラと並んでソファに座る。


純白のドレスのままのレイラは本当に美しいばかりで何度見ても目が潰れそうだ。キスしたいと思ったルーカスだが、レイラの膝の上にまた薄い桃色の便せんが乗っていた。


彼女の手にあるものについて聞いてもいいのかと、たくさん悩んだあの頃が懐かしい。彼女は聞いて欲しいからそれを持っていると今では即決できる。


「レイラ、その手紙は、俺にくれるのか?」


レイラが眉を5㎜下げて、コクンと頷いた。今日は準備運動万全で出かけたレイラの表情筋は実にいい仕事をしている。複雑そうな雰囲気がきちんと伝わった。レイラは両手で手紙を掴んで、丁寧にルーカスに手渡す。


死のうと思った、あの日に書いた手紙だった。


ルーカスが封を破り、レイラの手紙を上から順に読んでいく。ルーカスは言葉を発することができず、過去2度、何があったのかを知った。



レイラを殺した犯人はレイラ自身であり、

自分で自分を殺した理由はルーカスとの婚約破棄に絶望したためだと。

ルーカスは開いた口が塞がらなかった。