レイラがコクンと深く頷くのを確認したウィリアムは、大事に懐に手紙をしまった。


「良い活かし方を見つけたね。このもてなしは娯楽性があって嬉しくて、楽しいよ。みんな喜ぶ」


嫌味の一つもなく、含みもない楽しそうなウィリアムの笑顔を、レイラは初めて見た。


(ウィリアム様ってそんな風にも笑えますのね……なんだか、お可愛らしいですわ!)

「前から期待だけはしてたんだよ?成長したね、レイラ嬢」


柔和な笑顔はルーカスと似ていて、義兄とも仲良くしていけそうな可能性を感じることができた。


(もしかして今まで厳しく当たってきたのは、私をルーカス様の婚約者として恥ずかしくないようにするためだったのでは?)


なんてレイラの勝手な思考も働いた。真意はわからないが、ウィリアムが今日は特別ゴキゲンに笑う。