ルーカスは冗談一つ言えない男だ。今は冗談で済ませてくれたら嬉しいところだが、この実直な男は、冗談を言わないという信頼度の方が高い。



(本当に時間を繰り返していらっしゃる?そんなことが?)

「すぐには信じられないとはわかっている。だが、事実だから……守れる場所に」



ルーカスは真剣な声色で、一切の冗談などなく、レイラの肩に向かって言い切った。いい加減に目を見ろ。



「俺の隣にいてくれ。それだけでいい」

(も!も!ものすごい殺し文句ですわぁ!!)



レイラは隣にいろなんて熱い言葉をもらって有頂天で体の熱がカッと上がった。


一年以内に死ぬだとか、ループの話が真実かどうかなんて、もはやどうでもよくなってしまった。むしろ今、死にそうだ。


ルーカスのかっこいい台詞で大興奮のレイラは頭の上から湯気が出ているに違いない!と思ったが顔面は鉄壁の無風である。