レイラとルーカスは何の問題もなく結婚した。

ウィリアムが後押しすれば何もかもあっという間だった。


ウィリアム主催で聖なる夜にかぶせられた結婚祝いパーティが今から始まる。

パーティー会場の前で、レイラとルーカスが手を握り合っている。



ルーカスはレイラの頭からつま先までを舐めるように見つめた。もう数百回目だ。


シルバーの髪を結婚パーティ仕様に結いあげて、ティアラを飾ったレイラは女神より美しい。


白い生肌に貼りつく純白のドレスを纏ったレイラは女神より神々しい。


端麗な顔に乗った化粧が唇を紅く仕上げた。

レイラは地上に舞い降りた女神よりも尊い。


「女神より美しいよ。レイラ」


すっかり理性リミッター解除が常になっているルーカスが素直にレイラを絶賛する。


(結婚正装のルーカス様の方がお美しいですわぁ!目が潰れますわ、素敵すぎますわぁ!!)


レイラが無表情から眉を5㎜だけ下げて口角を5㎜上げる。長期出張中だった表情筋がついに帰還し、本日の結婚お披露目だよパーティでやる気満々である。


一般人には無表情と取られるレイラの真顔に、ルーカスはキュンキュンして服の胸あたりをぎゅうぎゅう握り締める。


「今日のレイラは笑顔が眩しいな」

(((え、どこが笑顔??)))