別れの用意を着々と進めるレイラの部屋に、ノックと共に大好きな声が響いた。 「レイラ、まだ起きていると聞いて。こんな時間にすまない。扉を開けてくれないか」 喉が塞がってしまいそうな詰まった声だった。 「君の顔が見たいんだ」