王城の侍女たちと共に朝の支度を終えたレイラは、テーブルの前の椅子にお手本通りに綺麗に座っていた。


(何度見ても、豪華絢爛なお部屋ですわ。本当にここにいていいのでしょうか?)


ルーカスが強盗に襲われたレイラを王城に連れ込み、この部屋で寝るように言ったのだ。


一夜明けて、未だに天から降って来た幸運の嵐に大興奮しているレイラであった。


だが、表情筋は今日も仕事を拒否。見事に美しい真顔だ。


レイラが真顔でじっとしていると、優しいノックが響いてルーカスがやってきた。



「レイラ、よく眠れたか?」

(朝から生ルーカス様ですわぁ!こんなことあっていいのかしらぁ!)



月に一度会えたら良い方のルーカスに、二日連続で会えて嬉しさが突き抜ける。レイラは一つ頷き、高潔な光を宿す青い瞳でルーカスを見つめた。だが、ルーカスはまたふいと視線を逸らす。



(また、目をそらされてしまいましたわ)

(朝のレイラは眩し過ぎる。女神よりも美しいじゃないか!)