ルーカスがレイラにいつものように話しかけ続けていると、ルーカスを呼び戻すために側近がやってきた。


「ルーカス様、そろそろお戻りをお願い致します」

「ああ……わかっている。先に行け。すぐ行くから」


仕事が滞ってしまっているのはわかるが、ルーカスも板挟みだ。公務に兄からの命令に、大切なレイラ。全てが間に合っていなかった。ルーカスは側近を外へやって、レイラの前に跪く。


「レイラ、困ったことがあればすぐアイザックに言って、俺を呼んでくれ。必ずだ。


必ず君の元へ行くから」