朝活で強引に時間をつくってきたルーカスは、連れ去ってきたレイラの部屋の前で立ち尽くしていた。
(勢いで連れてきてしまったが、ここにレイラが?)
すでにドアの前に立ってソワソワするだけの無為な20分が経過している。朝活した意味。
(あの、美しく可憐で、女神よりも端麗で心にうっとりと訴えかけてくるように気品よく、端正な姿形が理想の調和を遥かに上回るほどの美である、あのレイラが?)
凛々しい顔つきのルーカスは、背中で真剣に冷や汗をかいていた。
この男、レイラを前にすると息苦しいほどに胸が鼓動を立ててしまう。もう5年も婚約者をやっているというのに、未だにまっすぐに見つめることすらできない。
レイラがドレスを纏ってパーティ用にきちんと着飾っている時なんて、息もさせてもらえないほどの眩さだ。
第二王子として彼女をパーティでエスコートしている。だが、パーティ会場を出た瞬間にもう彼女の隣にいるのは限界!と悲鳴を上げてしまうほど、彼女が好きだ。
ルーカスの「もう限界」は君が好き過ぎて限界!の意味である。
だが、パーティの後に放った
『もう(君が好き過ぎて)限界だ……君といると(好き過ぎて)苦しい』の言葉を
レイラは婚約破棄して欲しいと受け取った。さらに、そう誤解させたことさえルーカスは未だに気づいていない。
真面目が歩いていると言われるほどまっすぐなルーカスは仕事はできる。
だが、不器用で恋愛方面に非常に愚鈍。
華麗なる恋愛ポンコツだった。
(勢いで連れてきてしまったが、ここにレイラが?)
すでにドアの前に立ってソワソワするだけの無為な20分が経過している。朝活した意味。
(あの、美しく可憐で、女神よりも端麗で心にうっとりと訴えかけてくるように気品よく、端正な姿形が理想の調和を遥かに上回るほどの美である、あのレイラが?)
凛々しい顔つきのルーカスは、背中で真剣に冷や汗をかいていた。
この男、レイラを前にすると息苦しいほどに胸が鼓動を立ててしまう。もう5年も婚約者をやっているというのに、未だにまっすぐに見つめることすらできない。
レイラがドレスを纏ってパーティ用にきちんと着飾っている時なんて、息もさせてもらえないほどの眩さだ。
第二王子として彼女をパーティでエスコートしている。だが、パーティ会場を出た瞬間にもう彼女の隣にいるのは限界!と悲鳴を上げてしまうほど、彼女が好きだ。
ルーカスの「もう限界」は君が好き過ぎて限界!の意味である。
だが、パーティの後に放った
『もう(君が好き過ぎて)限界だ……君といると(好き過ぎて)苦しい』の言葉を
レイラは婚約破棄して欲しいと受け取った。さらに、そう誤解させたことさえルーカスは未だに気づいていない。
真面目が歩いていると言われるほどまっすぐなルーカスは仕事はできる。
だが、不器用で恋愛方面に非常に愚鈍。
華麗なる恋愛ポンコツだった。



